流動性や繰上償還リスクを考えると海外ETFに軍配が上がりますが、今では東証ETFも信託報酬が十分低くなっていますし、二重課税調整措置ができたりとだんだんと使えるようになってきていると思います。
海外ETFはドル転や分配金を放置して為替差益が生じたときの申告などの手間があるため、特殊なものでない限りは東証ETFを選んだほうが良い場合も多そうです。
また、米国籍のETFは貸株サービス「カストック(Kastock)」のあるSBI証券でもメジャーどころは0.01%という超低金利しか付きませんし、他の証券会社ではそもそも貸株サービスがないと思いますが、東証ETFでは多くが0.1%、高いものでは1%超の(比較的)高金利が付くものもあったりします。
過去記事:【Kastock】米国株の貸株金利が低すぎる
たとえば全世界株ETFではVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)が経費率0.08%と最も低コストですが、貸株金利は0.01%です。一方、2559(MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信)は経費率0.0858%、貸株金利0.1%なので、貸株金利を含めると2559のほうが低コストということになります。
低コストな東証ETFは(米国籍ETFと比べると)高い貸株金利で信託報酬を相殺できるというメリットが結構大きいと思っています。
貸株金利が高い東証ETF(2021年2月11日時点)
メジャーなETFは貸株金利0.1%のものが多いようですが、流動性が低かったりするのか結構高い金利がついているものも割とあります。
2021年2月11日現在、SBI証券で貸株金利が0.1%を超えている東証ETFは以下の40銘柄です。一番高いのが2516なのはマザーズだからですかね。
銘柄 コード | 銘柄名 | 適用金利 (年) |
2516 | 東証マザーズETF | 1.75 % |
2567 | NZAM 上場投信 S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数 | 1.00 % |
2563 | iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(為替ヘッジあり) | 0.50 % |
2568 | 上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジなし | 0.40 % |
2569 | 上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジあり | 0.40 % |
2626 | グローバルX デジタル・イノベーション-日本株式 ETF | 0.40 % |
2627 | グローバルX eコマース-日本株式 ETF | 0.40 % |
2621 | iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり) | 0.40 % |
2620 | iシェアーズ 米国債1-3年 ETF | 0.40 % |
2622 | iシェアーズ 米ドル建て新興国債券 ETF(為替ヘッジあり) | 0.40 % |
2623 | iシェアーズ ユーロ建て投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり) | 0.40 % |
2624 | iFreeETF 日経225(年4回決算型) | 0.40 % |
2625 | iFreeETF TOPIX(年4回決算型) | 0.40 % |
2562 | 上場インデックスファンド米国株式(ダウ平均)為替ヘッジあり | 0.30 % |
2566 | 上場インデックスファンド日経ESGリート | 0.30 % |
1456 | ダイワ上場投信-日経平均インバース・インデックス | 0.30 % |
1367 | ダイワ上場投信-TOPIXレバレッジ(2倍)指数 | 0.30 % |
1457 | ダイワ上場投信-TOPIXインバース(-1倍)指数 | 0.30 % |
2565 | グローバルX ロジスティクス・J-REIT ETF | 0.30 % |
2564 | グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF | 0.30 % |
2557 | SMDAM トピックス上場投信 | 0.30 % |
2524 | NZAM 上場投信 TOPIX | 0.30 % |
1570 | NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | 0.30 % |
2561 | iシェアーズ・コア 日本国債 ETF | 0.30 % |
1358 | 上場インデックスファンド日経レバレッジ指数 | 0.20 % |
1308 | 上場インデックスファンドTOPIX | 0.20 % |
1490 | 上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ (βヘッジ) | 0.20 % |
1540 | 純金上場信託(現物国内保管型) | 0.20 % |
1552 | 国際のETF VIX短期先物指数 | 0.20 % |
1320 | ダイワ上場投信-日経225 | 0.20 % |
1652 | ダイワ上場投信-MSCI日本株女性活躍指数(WIN) | 0.20 % |
1369 | One ETF 日経225 | 0.20 % |
1595 | NZAM 上場投信 東証REIT指数 | 0.20 % |
1625 | NEXT FUNDS 電機・精密(TOPIX-17)上場投信 | 0.20 % |
1624 | NEXT FUNDS 機械(TOPIX-17)上場投信 | 0.20 % |
2514 | NEXT FUNDS 外国株式・MSCI‐KOKUSAI指数 (為替ヘッジあり)連動型上場投信 | 0.20 % |
1306 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 0.20 % |
1311 | NEXT FUNDS TOPIX Core 30連動型上場投信 | 0.20 % |
1348 | MAXIS トピックス上場投信 | 0.20 % |
1329 | iシェアーズ・コア 日経225 ETF | 0.20 % |
貸株金利は日々変わっていくものなので現在の金利だけを見てもあまり意味はないですが、この超低金利下においては特に債券ETFの利回り向上に割と便利なんじゃないかなと思います。
たとえば最近知って興味をもった2623(iシェアーズ ユーロ建て投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり))は分配金利回りが0.9%程度に対して貸株金利が0.4%とかなり高いです。
参考:【2623】iシェアーズのユーロ建て投資適格社債ETFが気になる
貸株金利が高止まりしているETFはだいたい設定されたばかりだったり不人気だったりで流動性がないと思うので、まとまった金額を投資する場合は面倒かもしれませんが…
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