【S&P500】実質トータルリターンのトレンドラインからはさほど乖離していない


今回はmultpl.comの月次データを使ってS&P500の実質トータルリターン(1871年1月~2021年3月)をグラフ化してみました。

(ジェレミー・シーゲル教授の有名なグラフは1802年~ですが、最新のデータは入っていないので自分で作ってみることにしました。)

この期間の年率リターンは6.99%となり、シーゲル教授の1802年~のリターンよりは若干高いです。

そして現在のS&P500のCAPEレシオは35.65とITバブル以来の歴史的な高水準ですが、実質トータルリターンのトレンドラインからはほとんど乖離しておらず、グラフを見る限りでは全くバブル感はありません。


出典:multpl.com


起点の1871年はかなり低CAPEだったため、たとえば過去平均値に近い1955年1月(CAPE15.99)を起点にすると以下のようになります。

この期間の年率リターンは6.78%です。


これだとトレンドラインからはだいたい20%程度乖離していますが、黄金の60年代やITバブルと比べるとかなり控えめです。


CAPEレシオやPERなどのバリュエーション指標ではかなり過熱感がありますが、長期リターンのトレンドラインを引いてみると、よく言われる「金融緩和によってリターンを先食いしてしまっている」というのは長い目で見ればそれほど大きな問題ではないようにも感じます。




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