以前、米国株の実質リターンはインフレ率が低いほど高く、インフレ率6%を超えるとマイナスリターンになるという表を紹介しました。
過去記事:インフレヘッジとしては株式や短期債よりもゴールドが有効
出典:A Wealth of Common Sense |
この表は年間のインフレ率と実質リターンで計算しているので、今回はmultpl.comのデータを使って、1928年1月~2021年2月のインフレ率と1年後の実質トータルリターンの月次データから同様の表を作ってみました。
※実質トータルリターンの計算は下記記事と同じ方法で計算しました。
過去記事:米国株(S&P500)の10年・20年・30年・40年・50年・60年ローリング実質リターン
インフレ率と1年後の実質トータルリターン(1928年1月~2021年2月)
まずはインフレ率と1年後の実質トータルリターンをグラフ化してみます。
散布図は下のようになります。冒頭の表と同様にインフレ率ネガティブ、0~2%、2~4%、4~6%、6%超の実質トータルリターンを表にまとめてみました。平均値だけではなく、最小値、中央値、最大値も計算しています。
中央値と平均値は一応低インフレほど高リターンの傾向はありますが、4~6%よりは6%超のほうが高リターンになっています。
(4〜6%の平均値と中央値が大幅に乖離しているのはこの中にリーマンショックのデータが含まれているためです。)
中央値と平均値をグラフ化してみました。
これを見る限りでは高インフレ下の株式もそれほど悪くないんじゃないかなと思ってしまいますね。
インフレ率と3年後の実質トータルリターン(1928年1月~2021年2月)
次はインフレ率と3年後の実質トータルリターン(年率)をグラフ化してみました。
散布図は以下のようになっています。
インフレ率と5年後の実質トータルリターン(1928年1月~2021年2月)
最後はインフレ率と5年後の実質トータルリターン(年率)をグラフ化してみました。5年は長すぎるのでさすがに関係ないと思いますが…
散布図は下のようになります。
どの期間でみてもインフレ率とその後の実質トータルリターンにははっきりとした相関は認められなさそうです。
期間の取り方等によってかなり変わってきそうな気もしますが、巷で言われているほどは高インフレを恐れる必要はないのかもと思います。
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