ダウ平均の採用・除外銘柄のパフォーマンス(過去20年間)


今回はダウ平均の除外・採用銘柄のパフォーマンスを調べてみました。


全部調べるのは大変なので過去20年間の入れ替え~現在(2021年5月)までのパフォーマンスをPortfolio Visualizerで調べています。なお、入れ替えはWikipediaを参照しました。

2004年5月~2021年5月(除外:T、KODK、IP、採用:AIG、PFE、VZ)

まずは2004/04/08の入れ替え(除外:T、KODK、IP、採用:AIG、PFE、VZ)です。比較のためにDIA(ダウ平均)、SPY(S&P500)も並べています。


CAGRStdev
除外銘柄
T6.61%17.26%
KODK破綻-
IP6.37%35.05%
採用銘柄
AIG-15.59%82.19%
PFE4.85%19.90%
VZ8.02%17.20%
指数
DIA9.94%14.01%
SPY10.27%14.41%


除外銘柄、採用銘柄ともにすべてDIA、SPYを下回っており、KODKは破綻、AIGは-15.59%(累積-94.48%)と凄まじいマイナスになっています。ウェイトまでは調べていないので入れ替えが良かったのかどうかは微妙なところですね。

2008年3月~2021年5月(除外:MO、HON、採用:BAC、CVX)

次は2008/02/19の入れ替え(除外:MO、HON、採用:BAC、CVX)です。


CAGRStdev
除外銘柄
MO12.36%20.32%
HON14.11%22.76%
採用銘柄
BAC2.17%47.22%
CVX5.39%23.86%
指数
DIA10.74%15.22%
SPY11.25%15.71%


これは除外銘柄の完全勝利です。

2008年10月~2021年5月(除外:AIG、採用:クラフトフーズ)

次は2008/09/22の入れ替え(除外:AIG、採用:クラフトフーズ)です。


CAGRStdev
除外銘柄
AIG0.95%90.96%
採用銘柄
ハインツ--
指数
DIA12.25%15.08%
SPY12.93%15.51%


クラフトフーズは2015年にハインツと合併してKHC(クラフト・ハインツ)となっています。KHCは2015年8月以降のデータしかないので比較できませんが、時期を考えると入れ替えは成功だったのではと思います。

2009年7月~2021年5月(除外:C、GM、採用:TRV、CSCO)

次は2009/06/08の入れ替え(除外:C、GM、採用:TRV、CSCO)です。


CAGRStdev
除外銘柄
C7.55%32.91%
GM8.00%31.22%
採用銘柄
TRV13.62%18.53%
CSCO13.32%24.31%
指数
DIA14.10%13.52%
SPY15.07%13.41%


採用銘柄の完全勝利です。

2012年10月~2021年5月(除外:クラフト、採用:UNH)

次は2012/09/24の入れ替え(除外:クラフト、採用:UNH)です。


CAGRStdev
除外銘柄
クラフト--
採用銘柄
UNH28.00%19.08%
指数
DIA14.06%13.77%
SPY15.36%13.25%


クラフトフーズはデータがありませんが、これは確実に採用銘柄の勝利だと思われます。

2013年10月~2021年5月(除外:AA、BAC、HPQ、採用:NKE、GS、V)

次は2013/09/23の入れ替え(除外:AA、BAC、HPQ、採用:NKE、GS、V)です。


CAGRStdev
除外銘柄
AA--
BAC21.60%28.30%
HPQ19.89%31.20%
採用銘柄
NKE23.80%20.54%
GS16.48%27.06%
V25.58%18.83%
指数
DIA14.06%13.77%
SPY15.36%13.25%


AAはデータがありませんが、これも採用銘柄の勝利だと思われます。

2015年4月~2021年5月(除外:T、採用:AAPL)

次は2015/03/19の入れ替え(除外:T、採用:AAPL)です。


CAGRStdev
除外銘柄
T4.26%18.11%
採用銘柄
AAPL27.13%29.01%
指数
DIA13.90%15.14%
SPY14.35%14.65%


採用銘柄の完全勝利です。

2018年7月~2021年5月(除外:GE、採用:WBA)

次は2018/06/26の入れ替え(除外:GE、採用:WBA)です。


CAGRStdev
除外銘柄
GE3.22%48.57%
採用銘柄
WBA-0.91%32.37%
指数
DIA15.30%18.97%
SPY18.23%18.66%


除外銘柄の勝利です。

2019年5月~2021年5月(除外:DD、採用:DOW)

次は2019/04/02の入れ替え(除外:DD、採用:DOW)です。


CAGRStdev
除外銘柄
DD4.01%45.60%
採用銘柄
DOW16.35%41.10%
指数
DIA15.90%20.29%


採用銘柄の勝利です。

2020年9月~2021年5月(除外:XOM、PFE、RTX、採用:AMGN、HON、CRM)

最後は2020/08/31の入れ替え(除外:XOM、PFE、RTX、採用:AMGN、HON、CRM)です。


CAGRStdev
除外銘柄
XOM54.37%39.66%
PFE11.43%24.54%
RTX48.34%42.53%
採用銘柄
AMGN-4.06%25.25%
HON41.36%30.08%
CRM-12.67%22.47%
指数
DIA23.27%17.48%
SPY21.65%15.63%


最後は期間がかなり短いですが、除外銘柄の勝利です。XOMの除外とCRMの採用はタイミングが悪かったですね…

まとめ

結果をまとめると以下のようになります。


勝利
2004/04/08
2008/02/19除外
2008/09/22採用
2009/06/08採用
2012/09/24採用
2013/09/23採用
2015/03/19採用
2018/06/26除外
2019/04/02採用
2020/08/31除外


勝利回数は除外銘柄が3回、採用銘柄が6回なので、過去20年間では入れ替えは上手くいっていたと言えそうです。

(今回は単純に入れ替え日から現在までのリターンを調べているので実際にダウ平均のパフォーマンスに寄与した分とは違いますが…)


短期的には採用銘柄が高値掴み、除外銘柄が底値売りみたいになってしまっていることも多そうな感じですが、時間が経てば採用銘柄のほうが強くなっているような気がします。


ジェレミー・シーゲル教授の研究ではS&P500のパフォーマンスは当初のまま入れ替えなかったほうが良かったみたいなデータがあったので、優良銘柄に投資したら脳死ホールドが最強なのかなと長らく思っていましたが、最近は駄目そうな雰囲気を感じたら入れ替えたほうが良いのではと思い始めています。




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