株式のトータルリターンは以下のように表すことができます。
トータルリターン=EPS成長率+配当利回り+バリュエーション変化
このうち、前半の「EPS成長率+配当利回り」をファンダメンタルリターンと呼ぶそうです。超長期的にはバリュエーション変化の影響はなくなるのでトータルリターン≒ファンダメンタルリターンとなるはずです。
そして超長期でみればEPS成長率はGDP成長率と似たような数値になるはずです。GDP成長率と株式リターンには相関がない、という話はよく言われますが、米国に限った話だとEPS成長率とGDP成長率は長期だとだいたい一致しています。
過去記事:米国の実質EPSと実質GDPの比較
ということで、今回は米国株のファンダメンタルリターンっぽいものとして、S&P500の配当利回り+名目潜在成長率を計算してみました。
(名目潜在成長率はFRED、S&P500の配当利回りはmultpl.comのデータを使いました。)
ここからインフレ率を引いて実質ベースにすると以下のようになります。
実質ベースでもやはり右肩下がりとなっています。直近では一時的?な高インフレで急減していますが、再び2%程度に戻るとしてもかなりの低水準であることに変わりはありません。
インフレ率に10年BEIを使った場合を重ねてみました。(期間は2003年1月以降です。)
米国株のファンダメンタルリターンっぽいものはかなりの低水準にあり、またバリュエーションは歴史的な高水準であることを考えると、将来のトータルリターンにはあまり期待ができなさそうです。
過去記事:イールドカーブよりも投資利鞘(名目潜在成長率-長期金利)
これは理屈的には正しいような気がしますが、過去の名目潜在成長率と長期金利を比べてみると長期金利のほうが高い時期がかなりあるので実際に役に立つかはよく分かりません。
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