イールドカーブよりも投資利鞘(名目潜在成長率-長期金利)


イールドカーブ逆転から景気後退までのS&P500、新興国株、ゴールドについての記事を書きましたが、今回はイールドカーブよりも投資利鞘(名目潜在成長率-長期金利)が重要だという話についてです。
(過去記事:イールドカーブ逆転から景気後退までのS&P500騰落率
(過去記事:イールドカーブ逆転から景気後退までの新興国株とゴールド

投資利鞘(名目潜在成長率-長期金利)

景気にとって重要なのは投資利鞘(名目潜在成長率-長期金利)

短期金利が長期金利を上回る逆イールドは一般に景気後退のサインとされており、特に米10年国債利回りと2年国債利回りの金利差が注目されています。

逆イールドになるのはマーケットが将来の利下げ=景気後退を織り込んでいるからだと考えると一定の納得感がありますし、実際に過去の景気後退前には逆イールドが発生しているので正しいように思えます。

しかし、 ソニーフィナンシャルホールディングスの資料(PDF)によると、景気後退のシグナルとしては長短金利差=預貸利鞘※よりも投資利鞘(名目潜在成長率-長期金利)のほうが重要だそうです。
※銀行は資金調達(預金金利)が短期金利、貸出金利が長期金利なので、長短金利差が預貸利鞘になるという考え方。

詳しくはPDFに書かれていますが、景気にとって重要なのは投資収益率(名目潜在成長率)と資金調達コスト(長期金利)の差=投資利鞘で、この利鞘が十分あれば逆イールドになっても資金需要は途切れず、貸し倒れリスクも高まらないので、景気が腰折れすることもないとのことです。
出典:ソニーフィナンシャルホールディングス

投資利鞘と預貸利鞘の長期推移

もう少し長期間の投資利鞘と預貸利鞘をFREDで確認してみます。青線が投資利鞘、赤線が預貸利鞘です。
投資利鞘は1980~2000年頃はずっとマイナス圏になってしまっていますし、逆に1980年以前は景気後退期にもずっとプラス圏です。こうやってみると預貸利鞘のほうが有用なように思えますね。高インフレ、高金利の時期にはあまり使えないんでしょうか。

ただ、理屈の上では預貸利鞘よりも投資利鞘のほうが納得度が高いかなと思いました。

投資利鞘から考えると景気後退はまだ先か

名目潜在成長率は以下のようにしばらくは4%超で推移する見込みなので、投資利鞘がマイナスになるには10年国債利回りが4%超まで上昇する必要があります。ソニーフィナンシャルホールディングスの資料では、10年国債利回りが4%超まで上昇するのは2019年末~2020年初頭で、景気後退は2020年後半以降となるだろうと書かれていました。
とはいえ、こういうシグナルを基にマーケット・タイミングを計ってもたぶん上手くいかないんだろうなと思っているので、投資利鞘がマイナスになろうが私は株式フルインベストメントを続けるつもりです。


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