イールドカーブ逆転から景気後退までの新興国株とゴールド


前々回の記事ではイールドカーブ逆転から景気後退までのS&P500騰落率のデータをご紹介しましたが、今回は同期間の新興国株とゴールドについてです。

どちらも一般に米ドル高に弱いとされているので、逆イールドになって利上げが打ち止めになったあとの上昇率が大きいんじゃないかなと思って調べてみました。

逆イールド発生から景気後退までの新興国株とゴールド

イールドカーブ逆転から景気後退までの期間、比較のためのS&P500は前々回の記事でご紹介したAffinity Wealth Management Groupのデータを使いました。

ゴールドはFREDのGOLDAMGBD228NLBM、新興国株はMADCX(BlackRock Emerging Mkts Instl)のトータルリターン(Yahoo FinanceのAdj Close)です。S&P500は配当なしのプライスリターンなので、この比較は配当分だけ新興国株のリターンが大きめに出ています。

逆イールド発生から景気後退までの新興国株、ゴールド(とS&P500)は以下の通りです。
新興国株は1998年5月26日〜2001年4月1日には-18.2%、2006年1月31日〜2008年1月1日には+57.3%でした。2回分のデータしかありませんが、平均値は+19.5%とS&P500を上回っています。

2006年1月31日〜2008年1月1日は大きく上昇していますが、Research Affiliatesによると、起点(2006年1月末)の新興国株のCAPEレシオは26.3で、終点(2007年12月末)は34.7と割高な水準から更に割高になっています。

ゴールドは5回中3回はマイナスでバラツキが大きいですが、1978年8月18日〜1980年2月1日には+217.3%、2006年1月31日〜2008年1月1日には+46.8%と大きく上昇しました。平均値は+39.5%で、これもS&P500を上回っています。

ゴールドは毎回プラスリターンだったのかなと思っていましたが、案外とそうでもないようです。


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