普通の個人投資家ではゴールドを持っていても金利は付きませんが、金融機関や中央銀行は保有しているゴールドを金鉱企業等に貸し出すことで一応金利を稼ぐことはできるそうです。
通貨の場合はインフレ通貨ほど高金利、デフレ通貨ほど低金利となることを考えると、デフレ的なゴールドの金利はドル金利に比べるとずっと低金利になりそうに思えます。
1989〜2002年のゴールド・リースレート(3ヶ月物)のチャートを見てみると、だいたいは1〜2%で推移しているものの、ときどき一瞬だけ急騰している期間があります。たとえば1999年の9%超までの急騰は、各国中央銀行によるゴールドの売却や貸し出しを制限するワシントン協定によるものだそうです。
出典:KITCO |
2001年〜2015年では以下のようになっています。2000年代はほぼゼロ金利が続き、リーマン・ショック時に一瞬だけ急騰、2010年代前半はマイナスになっています。
金利マイナスだったら誰も貸し出しなんてしないのでは…と思いますが、ゴールド・リースレートはLIBORとGOFO(金フォワード・レート)の差で計算される指標なので、実際にこの金利で貸し出されている訳ではないみたいです。
最近のリースレートを見てみると、コロナショックで大幅にマイナスになったあとやや持ち直しているものの、いまだにマイナス金利が続いているようです。
出典:Gold Charts R Us |
ちなみにシルバー・リースレートも存在するようです。シルバーはゴールドよりも金利がやや高めなのかなと思いましたが、直近では大して変わらさそうです。
現在の超低金利環境ではデフレ的なゴールドを貸し出して金利を得るのはかなり難しいようです。プラス金利だったとしても保管コストとかを考えると実質マイナスになりそうです。
個人投資家の場合は貸株としてゴールドETFを貸し出すことで若干の貸株金利を得ることができますが、たとえばSBI証券の場合は1540(純金上場信託)で0.1%、GLD(SPDRゴールド・シェアーズ)やIAU(iシェアーズ ゴールド・トラスト)にいたっては0.01%なので、ETFの信託報酬を加味すればマイナスになります。
低金利下で資産を貸し出して金利を得るというのは何にしても厳しい気がします。SBI証券の貸株サービスは日本株だとほぼ0.1%、米国株だと0.01%ですが、分別管理の対象外となる代わりに得られる金利としては低いように感じます。特に米国株は低すぎます…
たとえばビットコインのレンディングだと年利5%みたいなものもありますが、デフレ的な性質をもつビットコインを貸し出して高金利というのはかなりリスキーなんじゃないかなと思ってしまいますね。
以前は少しでも高利回りを得るためにこのようなサービスに興味を持っていましたが、最近ではリスクに見合わないように感じてきているので普通にホールドしているだけでいいかと思い直しています。
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金投資歴20年です。
返信削除あくまでネット上での噂レベルなのですが、貴金属取引で金現物が不足しているという話を知り、昔、金にリースレートがあった話を思い出し、検索の結果的、本ページにたどりときました。
記事ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
削除お役に立てていたのであればよかったです!
直近のリースレートはたしかに上がってきていますね。