家賃はそんなに上がるのだろうか


アメリカのインフレについて、住宅価格に遅れて帰属家賃が上昇するので今後のインフレ要因になるという話があります。

※過去のCPI帰属家賃と住宅価格を見てみると、たしかに住宅価格に遅れてCPI帰属家賃も上昇しているように見えますが、2007年頃のピーク時でも前年比+4.3%程度、リーマン・ショック時を除くとだいたい+2%~+4%程度で推移しているので、問題になるほどインフレを押し上げることはあまりなさそうな気がします。

 過去記事:【米インフレ】CPI帰属家賃と住宅価格


DCF法で考えると、住宅価格が上がるということは将来の家賃が上がるか、割引率(無リスク金利+リスクプレミアム)が下がるか、あるいはその両方ということになります。


今の住宅価格上昇はどちらかといえば将来の家賃が上昇するというよりも無リスク金利低下によるところが大きそうな気がします。


住宅価格と同様に株価も上昇していますが、これもやはり一般的には将来のフリーキャッシュフローが増加したというよりも、無リスク金利低下によるところが大きいと思います。


米国のアパートのキャップレート(純利益/物件価格)と米長期金利を並べて見ると、今はむしろ長期金利とのスプレッドが大きめなので、さらにキャップレートが低下する余地がありそうな気すらします。

出典:CBRE

出典:FRED

東京都の中古マンション価格と賃貸マンション賃料の推移を見てみても、約10年間では中古マンション価格が約1.4倍になったのに対して、賃料は約1.1倍とかなりの開きがあり、これもキャップレートが無リスク金利に合わせて低下したということだと思います。

出典:LIFULL HOME'S
出典:LIFULL HOME'S


家賃は住宅価格と違って不景気でも大して下がらない代わりに住宅価格が急騰するなかでもそれほど上がらなかったので、今後もそれほど大きくは上がらないのではと思っています。



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