S&P500のモンテカルロシミュレーションと実際の過去リターン


Portfolio Visualizerでは手軽にモンテカルロ法によるシミュレーションを行うことができます。


たとえばUS Large Capのヒストリカルリターンをもとに75年間のシミュレーションをしてみると、インフレ調整後では10パーセンタイルが年率3.74%、25パーセンタイル5.07%、50パーセンタイル6.51%、75パーセンタイルが7.95%、90パーセンタイルが9.23%となっています。


出典:Portfolio Visualizer

一方、実際のS&P500の実質トータルリターン指数を作ってみると、以下のように長期トレンドラインに沿って推移しています。

 過去記事:S&P500実質トータルリターンの指数関数的トレンドライン

25年ローリング、50年ローリング、75年ローリングの実質リターンをグラフ化すると以下のようになります。

この実際の過去データとPortfolio Visualizerのモンテカルロシミュレーションの実質リターンを比べてみると、実際のS&P500には平均回帰性があるためモンテカルロよりもかなりバラツキが小さくなっていることが分かります。


実際のS&P500で取り崩しシミュレーションをやってみると極端に悪そうなところからスタートしても年2%くらいの取り崩しであれば問題なさそうですが、Portfolio Visualizerでモンテカルロシミュレーションをしてみると思いのほか破産確率が高くなります。

 過去記事:世界恐慌前夜からのリタイアシミュレーション(配当課税有り)


S&P500が今後も長期トレンドラインに回帰していくと考えた場合とモンテカルロシミュレーションでは結構な差が出るので、このあたりをどう考えたら良いのかは難しいところだなと思っています。




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