アスワス・ダモダラン教授のバリュエーションでは永久成長率に無リスク金利(10年国債利回り)を使っています。
たとえば最近のテスラの記事では1~5年目の成長率が35%、10年目以降は無リスク金利と同じ1.56%として計算しています。
参考:Tesla's Trillion Dollar Moment: A Valuation Revisit!
予測期間終了後はその国の無リスク金利≒名目GDP成長率に落ち着くということですが、過去の無リスク金利と名目GDP成長率を並べてみると、無リスク金利はその時点の名目GDP成長率とはだいたい似た数値になっているものの、永久成長率として使うにはまあまあズレがあるように思えます。
米国の名目GDP成長率と10年国債利回り (出典:FRED) |
米国の名目潜在GDP成長率と10年国債利回り (出典:FRED) |
英国の名目GDP成長率と10年国債利回り (出典:FRED) |
日本の名目GDP成長率と10年国債利回り (出典:FRED) |
米国
上のグラフでは無リスク金利と名目GDP成長率はだいたい一致していましたが、名目GDP成長率を前年比ではなく、その後10年間の成長率に変えてみると以下のようになります。
1990年代後半くらいからはだいたい同じくらいの数値になっていますが、1960~1980年の金利急騰局面とその後の金利下落局面ではかなりのズレがあります。
英国
英国の場合も1990年代後半くらいからは似たような数値にはなっています。
日本
日本の場合は凄まじい乖離があります。
最近の日本みたいにマイナスになっている場合は代わりにインフレ率として0%とか1%とかを使うんですかね。
テスラみたいにうまくいけば長期にわたってGDP成長率以上の高成長を続けられる(かも?)という企業には無リスク金利よりも高くて良いようにも感じますし、永久成長率や割引率を考えるのは奥が深いなと思います。
よろしければ応援クリックお願いします
コメント