資産の保有者によってもカントリーリスクが変わる時代



カントリーリスクというと投資対象国の政治や経済状況などの変化に起因するリスクのことを指しますが、最近では資産の保有者によってもカントリーリスクが変わってくる時代になりつつあるのではと感じています。

米国債は世界で最も安全な資産だったはずですが、ロシアが保有するドル資産は米国によってあっさりと凍結されてしまいましたし、ロシアは非友好国が保有するドル建てロシア国債をルーブルで返済しても良いことにしてしまいました。

また、少し前に「ルーブル急落を受けて中国人がロシアの不動産を買い漁っている」という真偽不明の情報を見かけましたが、これは中国人だから投資可能なのであって、同じことを日本人がやるのは(現実的にできるか否かはおいておいて)接収リスクを考えると割に合わなさそうな気がします。

反対に中国人が保有する米国資産は、将来中国が台湾に侵攻した際には凍結される可能性があるため、日本人が保有する場合に比べると若干高いリスクを織り込まないといけなくなるはずです。

中国人にとってみれば、見方によっては米国資産よりは中国資産のほうが安全かもしれませんし、長い目でみれば米国資産よりはロシア資産を保有しておいたほうがよかったということにならないとも限らないと思います。

私がもし中国人だったとしたらロシアの不動産を買うかもしれませんし、取引再開されたとしたらロシア株を買うと思いますが、日本人としては接収リスクが高すぎるように感じます。


西側に属する国の人間としては、国際分散投資をするよりも東側の資産を意図的に避けたほうが良い時代になりつつあるように思っています。

 過去記事:西側分散投資の時代


日本人が保有する米国資産も第二次世界大戦下では凍結された歴史があるので100%安全かというとそうとも断言できないと思いますし、そういう意味ではカントリーバイアスは合理的なのかもしれないですね。




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