ジェレミー・シーゲルの「グローバル・ソリューション」は危うくなっているのでは


高齢化する先進国の退職者が必要とするモノを誰が生産するのか、退職後に売却する資産を誰が買うのか、という問題があります。


ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」では、成長する途上国の若い労働者が生産し、資産を買い取る「グローバル・ソリューション(世界的解決)」が起こるので問題ない、途上国の労働者にとって先進国の資産は魅力的なはずなので、先進国の退職年齢は途上国の生産性の伸びにかかっていると楽観視していました。


しかし、対ロシア制裁で西側諸国が外貨準備を凍結したことで、非西側諸国にとっては西側の国債はリスクフリー資産から凍結される危険性のある安全とはいえない資産に変わってしまいました。


今回の一件は非西側にとっての西側資産の魅力を大きく削ぐきっかけになるような気がしてなりません。


シーゲルの「グローバル・ソリューション」は非西側の労働者たちに西側の退職者の資産を買い取ってもらわないといけないので、本が書かれたたグローバリゼーション全盛期?と比べると状況は著しく悪化しているように感じます。


また、衰退するロシアを西側経済から切り離すのはエネルギー価格等の高騰を受け入れれば不可能ではないのかもしれませんが、巨大な中国に対して同じようなことをやった場合の代償はロシアの比ではなく、退職年齢の後ろずれどころかそもそも立ち行かなくなってしまいそうです。


私はとりあえず保有していた中国株を売却し、今後は西側の株式に分散投資していこうと思い直しましたが、非西側に住んでいる人の選好にも影響が出てくるんじゃないかなと危惧しています。

 過去記事:西側分散投資の時代




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