以前、下落し続ける日本の実質実効為替レートについて、単純に日本円が過小評価されているのか、それとも相対的な所得水準低下を反映しているだけで趨勢的なものなのか、という記事を書きました。
過去記事:日本円は単に割安なのか、相対的な所得水準低下を反映しているのか
約半年が経ってさらに円安が進むなか、実質実効為替レートと対高所得国比の一人当たりのGDPについて、他の国はどうなっているんだろうと思ったので調べてみました。
先進国
アメリカ
日本ほどではないですが、結構綺麗に連動しています。対高所得国比の一人当たりGDPが上昇する局面では毎回大幅なドル高になっているようです。周期的にはそろそろドル高も終わりそうな雰囲気です。
日本
これは上記記事でも載せていますが、かなり綺麗に連動しています。
ドイツ
日本に比べると割とズレが大きいですが、それなりに連動しています。
イギリス
こちらは対高所得国比の一人当たりGDPはほぼ横ばいなのに実質実効レートは下がり続けています。
フランス
1970年以降は綺麗に連動しています。
イタリア
こちらも1970年代半ばくらいから連動しています。
カナダ
スイス
対高所得国比の一人当たりGDPが横ばい、右肩下がりの国が多かったですが、右肩上がりのスイスも割と連動しています。
新興国
中国
新興国はNarrowベースが存在せず、Broadベースのデータしかない国が多いので期間が短いです。
インド
対高所得国比の一人当たりGDPは1960年代よりも今のほうが低いというのがちょっと意外でした。
韓国
長期的な動きが全く真逆なのが韓国です。対高所得国比の一人当たりGDPでは先進国水準まで上昇していますが、実質実効為替レートは右肩下がりです。
ロシア
ボラティリティが激しいですが、1998年の財政危機前後を除くと割と連動しています。
ブラジル
メキシコ
インドネシア
トルコ
韓国のように逆の動きをしている国もあったりしますが、両者の動きというか水準は概ね連動している印象です。
日本の実質実効為替レートと対高所得国比の一人当たりGDPは1970年代くらいの水準にある訳ですが、今後ゆるやかに衰退が進むとともにさらに1960年代くらいにまで下がったりするのかなと思ってしまいます。
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