1980年インフレピークアウト時のS&P500はCAPEレシオ8.08、PER6.85


最近、インフレのピークアウトで株式が黄金の時代が始まろうとしている、みたいなのを見かけました。


たぶん超高インフレで株式の死といわれるほど低迷した1970年代のあと、1980年にインフレピークアウトしたときと重ねているのかなと思いますが、当時と今とではマルチプルに凄まじい差があるんですよね。


multpl.comで1980年前後のアメリカのインフレ率とS&P500のCAPEレシオ、PERを調べてみると、以下のようになっています。

1980年3月のインフレピークアウト時(インフレ率14.76%)ではCAPEレシオ8.08、PER6.85でした。


今はとりあえずインフレがピークアウトしたとしても、CAPEレシオ29.00、PER20.58と1980年とは比べ物にならないほど高いです。


1980年のインフレピークアウト時はマルチプルが非常に低く、長期金利は非常に高かったため、1980年代、1990年代と株式は黄金の時代を迎えることができたんじゃないかなと思います。

(さらに1981年に401kが開始されたそうです。めちゃくちゃ良いタイミングで羨ましいですね…)

 過去記事:コモディティ→株式→債券のサイクル


ちなみにインフレは1980年3月にピークアウトしていますが、長期金利は1981年9月(15.32%)まで上昇が続いています。

そしてインフレ調整後の株価が底打ちしたのは1982年7月なので、インフレピークアウトから2年4ヶ月後、長期金利ピークアウトから10ヶ月後です。

(インフレ調整後EPSは超高インフレにもかかわらず割と持ちこたえていました。)


益利回りと長期金利、CAPE利回り(CAPEレシオの逆数)と長期金利のスプレッドは以下のとおりです。

一方、2020年1月以降は以下のようになっています。こちらはそれほど大きな差はないです。




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コメント

  1. 独特な分析ですね。ボルカーさんはインフレ退治で有名ですが、やはりこの時は金利を上げすぎましたね。結果、ドル高になり貿易赤字の是正にプラザホテル集合になったわけです。ソ連のアフガン侵攻も似ています。FRBは十分意識してると思いますよ。暗号資産の問題もあるのでなかなかリスクオンにはならないのではないでしょうか。テクノピークをどう思われますか?

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    1. この記事で書きたかったことは、株式投資家にとっては○年と似ているみたいな話よりも株式のバリュエーションが重要ということですね。
      テクノピークというのは聞いたことがありませんが、よく言われるピークデジタルみたいなことですかね?
      先食いしたぶん今までの成長軌道に戻るまでは時間がかかりそうですが、長期的にみれば今後もデジタル化が進んでいくのは確実なのでピークは一時的なんじゃないでしょうか。

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  2. 先食いというよりか期待値が大きすぎたような気がします。マネーフォーワードを使ってるのですがAIが結構バカで修正仕訳のためのパートさんが欠かせません。海外でウーバーを使ったのですがトランクにスーツケースが入んないとか。タッチ決済に反応しないとか、QRコードから注文しようにも回線がおそく、そのまま紙と鉛筆のオーダーのうほうが早くて楽だったり。成長起動に戻るのにどのくらいかかると思われますか?

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    1. ピークデジタルってコロナ禍でよく言われる数年分の需要を先食いしてしまったぶんしばらく低成長(orマイナス成長)が続くみたいな感じなんじゃないでしょうか。
      期待先行で中身が伴わなかったITバブルとは違うので、数年程度で戻るんだろうなと素人目線では勝手に思っていますね。

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