逆イールドと株式&長期国債のリターン


ふと逆イールド発生からの株式と長期国債のリターンはどうなってきたんだろうかと思ったので調べてみました。


まず、10年債と3ヶ月債のスプレッドは1989年5月、1998年9月、2000年4月、2006年1月、2019年3月に逆転しています。


逆イールド(10年債-3ヶ月債)と株式&長期国債のリターン

1989年5月から3年間は、株式(年率12.55%)>長期国債(年率10.76%)となっています。株式は元本割れしている時期がありますがかなり短いです。


出典:Portfolio Visualizer

1998年9月から3年間は、株式(年率7.73%)>長期国債(年率5.88%)です。逆イールドが発生してからはあまり長期金利の上昇余地はないイメージでしたが、長期国債は-25%のドローダウンを記録しています。


出典:Portfolio Visualizer

2000年4月から3年間は、長期国債(年率11.18%)>株式(年率-16.27%)です。こちらは逆イールドのイメージ通りといった感じで、株式が大幅下落するなか長期国債が大健闘しています。


出典:Portfolio Visualizer

2006年1月から3年間は、長期国債(年率10.84%)>株式(年率-8.45%)です。こちらも先ほどと同様、株式大幅下落、長期国債上昇パターンです。


出典:Portfolio Visualizer

2019年3月から3年間は、株式(年率17.34%)>長期国債(年率7.13%)です。コロナショックで一時期は株式急落、長期国債急騰となりましたが、その後逆転しています。


出典:Portfolio Visualizer

逆イールドというと利上げのやりすぎで景気をオーバーキルしてしまうというイメージなので長期国債上昇、株式下落となりそうですが、このパターンは2000年4月、2006年1月、2019年3月(ただし株式がすぐに反発したので長期国債の方が強かったのは短期間)だけでした。


1989年5月は株式も長期国債も右肩上がり、1998年9月は株式が大幅上昇するなか長期国債は-25%のドローダウンを記録しています。


2006年1月とか2019年3月みたいなパターンであれば逆イールド発生後は株式を売って長期国債を買えばいいですが、必ずしもそうなる訳ではないと考えておいたほうがよさそうです。


出典:Portfolio Visualizer


逆イールドが起きたら○ヶ月で景気後退入りして株式は売りみたいなアノマリーはたくさんありますが、何にしても必ずしも同じことが起きるとは限らないですし、数あるアノマリーを信じて機動的に売買するのもあまり良いことでもないのかなと思っています。



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