S&P500とFEDモデル


武者リサーチを読んでいたら久しぶりにFEDモデルという単語が出てきました。


歴史的事実は、長期金利15%の時の益回りは15%(1980~1981年)であったのであり、長期金利が大きく低下した1995年以降、PERが上昇するのは当然、高PERが新常態とみるべきであろう。予想益回り(予想利益/株価)=10年国債利回りという1980年から2000年ごろまで続いた相関(FEDモデル)を用いて計算される妥当株価は、10年債利回りを3.6%とすればS&P500指数で6,546ポイントとなり、現実の株価は3割強割安(図表12)、という議論が成り立つのである。金利裁定を無視したバブル説は根拠薄弱であることを強調したい。

引用:武者リサーチ


これをそのまま適用すると、2020年に長期金利が0%台に突っ込んだときは瞬間最大で15,000超がフェアバリュー、日経平均だと足元でも50万超が許容されることになってしまいますし、そもそもゼロとかマイナスだったら計算できないので使えません。


PER=1/(割引率-成長率)=1/(長期金利+株式リスクプレミアム-成長率)と考えると、予想益利回りと長期金利が一致すると考えるのは単純すぎるようにも思えますが、S&P500の場合、予想EPSの代わりに実績EPSを使っても1970年頃からだと結構きれいに一致しているんですよね。

(データはmultpl.comです。)


コロナショック以降はずっとFEDモデルが異常に高い数値になっていましたが、2022年の金利上昇で収斂し、2023年5月1日現在では5,004となっています。予想EPSを使った場合だと6,546だそうなのでちょっと低めです。


FEDモデル/S&P500-1は以下のようになります。足元では+20%程度です。


1970年以降では以下のようになります。

米長期金利は当分4%台にはならなさそうですし、3%程度で落ち着くのであれば現在の水準は十分割安と言い張ることもできそうです。


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