真の市場ポートフォリオ


市場ポートフォリオというと一般的にはオルカン(全世界株インデックス)を指していると思いますが、株式以外のアセットも含めた厳密な意味での真の市場ポートフォリオはどうなっているのでしょうか。


株式市場と債券市場はだいたい同じくらいの規模みたいなのは前にどこかで読んだ気がします。ゴールドとかその他の資産は株式・債券に比べるとかなり小さいはずなので無視しても問題なさそうですが、流動性の低いものも含めると不動産が圧倒的に大きいはずです。


割と長年にわたってそんな疑問をもっていたのですが、大凡の答えが最近読んでいるアンティ・イルマネン著『期待リターンII』に書いてありました。


この本によると、不動産は200〜300兆ドルと言われているそうですが、そのうち投資可能資産はわずか2兆ドル以下だそうです。

(ゴールドも時価総額は13.7兆ドルもありますが、宝飾とか工業用途、あとは中銀が保有している分とかを除くとかなり小さくなりそうです。)


他のアセットでは投資可能なものに限れば、2020年末時点でグローバル上場株式市場が約106兆ドル(マイクロキャップやフロンティア、制限付き株式や持ち合い株式をどう考えるかによっては幅がある)、グローバル債券市場が約120兆ドル(マネーマーケット、地方債、モーゲージ債、バンクローンを加えると200兆ドル以上になる)、プライベート資産は7.3兆ドルとのこと。


この金額を採用すると、真の市場ポートフォリオは株式45%、債券51%、プライベート資産3%、不動産1%ということになります。


ただし投資可能性の基準はかなり幅があるようで、DoeswijkLamSwinkels(2014)の基準ではグローバル市場ポートフォリオの推定値は2020年末でたった160兆ドルでしかないそうで、これの場合は株式60〜70兆ドル、債券70〜80兆ドル、不動産とプライベート資産はそれぞれ7兆ドルなんだそうです。


この基準では株式が30%前後、債券が30%台前半、不動産とプライベート資産がそれぞれ3%程度ということになり、先ほどよりも株式・債券の比率が小さくなります。


結局のところは投資可能性を考慮するとグローバル株式とグローバル債券以外はそれほど大きくないので、株式50債券50ポートフォリオのことを真の市場ポートフォリオと呼んで差し支えなさそうということで納得できました。




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