ジェレミー・シーゲル曰く、ゴールドの200年のインフレ調整後リターンは年率0.9%だそうです。
(以前は年率0.6%とかだったと思うので、直近の上昇で若干高くなっているようです。)
200年間、実質ベースで年率1%未満とするとまあそんなものかという感じがしますが、一方でこれまで人類が約5000年間にわたって採掘してきたゴールドの総量のうち、86%は過去200年間に採掘されたものだという話もあります。
採掘済のゴールドは過去200年間で年率1%程度のペースで増加していることになるので、この間のアメリカのインフレ率を2%と仮定すると、ゴールドの米ドル建て時価総額の増加率はゴールドのインフレ調整後リターン0.9%+ゴールド自体のインフレ率(採掘量増加)1%+アメリカのインフレ率2%≒4%ということになります。
切り取る期間によって多少の差は出るとは思いますが、成熟したSoV(価値の保存手段)の時価総額はだいたい世界の名目GDP成長率と同じくらいのペースで増加していくものなのかなと思っています。
長期的にみれば、
- ゴールドの名目リターン=世界の名目GDP成長率-ゴールド自体のインフレ率
- ゴールドの実質リターン=世界の実質GDP成長率-ゴールド自体のインフレ率
とすると、ゴールドの歴史5000年のうち大半は実質GDP成長率もゴールド自体のインフレ率も非常に低く両者はほぼ拮抗していたので実質リターンゼロが続き、過去200年は実質GDP成長率のほうが高かったのでややプラスのリターンが出たという感じなのかなと。
個人的には短中期的には米ドルからゴールドの流れで世界の名目GDP成長率よりも早いペースでゴールドの時価総額が伸びていきそうな気がしていますが、経済合理性を無視すれば海水や宇宙には大量に存在しているので超長期的には価値が保たれなくなる日が来るんだろうなと思っています。
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