iFreeHOLD 米国国債(T-Zero2044)


少し前にSNSで知って興味を持っている『iFreeHOLD米国国債(T-Zero2044)』という投信があります。


一般的な国債インデックスファンドとは異なり、1銘柄のみ(この投信の場合は2044年に償還を迎えるストリップス債(ゼロクーポン債))に投資するという(たぶん)ありそうでなかった投信です。


SBI証券等でも個別のストリップス債を買うことはできますが、相対取引でコストがかなり高そうなので償還まで保有するとしても結構厳しい感じがしていたので、低信託報酬(0.1705%)&売買コストゼロで投資できるのは結構良さそうです。


この投信は約定した時点で米ドルベースではリターンが確定しますが、日本円ベースでは為替の影響を受けるので、償還時点の為替水準ごとの累積リターンシミュレーション(信託報酬控除後)が載っています。

出典:大和アセットマネジメント

3/27~3/29では損益分岐点の為替水準は63.1だそうです。


ちなみに企業物価ベースのPPPでは1ドル91円くらいなので、仮に償還時点のドル円が90だとしたら累積リターンは+43%、年率換算すると1.8%になります。


日本国債20年が1.5%程度なので、1ドル90円くらいまで戻ってしまうと為替リスクを取っている割に結構微妙な感じになってしまいますね…日本国債もしばらくしたら2%くらいになってもおかしくなさそうですし、このままインフレが定着すると実質ベースでマイナスになりそうなところもなかなか…


1ドル120~130円くらいだったら年率3.5%前後くらいになるのでそこまで悪くないかもしれませんが、20年持ちっぱなしにするならかなり割高感があるとはいえ米国株のほうが良さそうと思ってしまいました。


これだけ円安水準から始めると米国債投資もなかなか厳しそうで、長期的に円安傾向が続くと思っている人以外にとってはそこまで魅力的ではなさそうな気がします。


個人的にはポートフォリオの分散という意味ではこの投信みたいにだんだんボラティリティが低下していくと使いにくいのでEDVやTMFのほうがいいかなと思っています。もっと償還までが長いのがあったら興味がありますが。




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コメント

  1. 本当に勉強になります。このような投信があることを知りませんでした。新NISA(成長投資枠)の対象というのも意味があると思います。

    たまたま、SBI証券に「トレジャリーストリップス米ドル建2044/5/15満期 ゼロクーポン債」があり、単価40.59%で売り出されています。私の計算だと、現在の為替1USD=151.8円で購入した場合(ドル転コスト無視)、償還時において1USD=61.61円でイーブンで、1USD=63.1円が損益分岐点になる購入時レートが1USD=155.45円くらいなので、若干この投資信託の方が割高なのかな、と感じました。計算間違ってたらすみません…💦

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    1. このシミュレーションでは信託報酬(税込0.1705%)が加味されているみたいなので、20年間で2%強のコストを考慮するとイーブンになるドル円はだいたい61.6→63くらいになるかと思います。
      一方で生債券を買った場合、購入時のコストだけでもたぶん2%くらいは取られそう(相対取引で明示されていないと思うので分かりませんが、スプレッドが4~5%みたいなのも見たことがあります)な気がします。
      もしかすると満期まで持ち切る場合は生債券とこの投信のコストはほぼ同じくらいなのかもしれませんが、途中で売却する可能性がある場合は投信のほうが有利といった感じでしょうか。
      債券はリターンが限定的なので年率0.1%くらいのコストでも結構気になりますね…

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