ゴールドはニクソンショック以降高いリターンを生んできましたが、バフェット指数的な考え方で世界の名目GDPに対する時価総額の比率を考えると、今後のリターンはかなり悪くなるんじゃないかなと思っています。
前回の記事で私の独断と偏見で作った2050年までの実質リターンではこんな感じで、弱気シナリオ-2.8%、中間シナリオ+0.8%、強気シナリオ+2.7%くらいなんじゃないかなと思っています。
過去記事:2050年までの全世界株のリターン予想、ゴールド・ビットコインとの比較
これは2050年時点の地上に存在する総量が271,582トン(2023年末時点のトンに確認埋蔵量59,000トンを足した数値)、全世界の名目GDP約429兆ドルという前提で、弱気シナリオが時価総額/全世界GDP比率5%(1970年前後と2000年前後の水準)、中間シナリオが12.5%(現在よりもやや低い水準)、強気シナリオが20%(1980年前後の水準)として計算しています。
非西側諸国のあいだで金準備積み増しの動きがあることを考えると時価総額/GDP比率5%(弱気シナリオ)の可能性はかなり低そうに感じる一方、ニクソンショック以降の急騰で一瞬だけつけたピークの20%(強気シナリオ)もやはりなかなか難しそうな気がするんですよね。
現実的には実質リターン2%超は結構厳しそうな気がしていて、良くて1%台なんじゃないかなと思っています。前提として使った2050年時点の地上に存在する総量271,582トン、全世界の名目GDP約429兆ドルは多少変わったとしてもそれほど上振れ余地はなさそうですし。
ちなみに私はビットコインに強気なのですが、仮にビットコインがSoV(価値貯蔵手段)として今のゴールドに地位を侵食していく可能性を考えると上記の3シナリオはそれぞれもう少し低くなる可能性もあるんじゃないかなと思っています。
(ビットコインもこのまま上手くいったとしても、ある一定の比率に達したらあとは上下しながらもGDP成長率並みの巡航速度になるはずですが、その比率はやっぱりGDPの15~20%くらいになるんじゃないかなと思います。)
とはいえゴールドは国家に依存しない、しかもビットコインとは違ってインターネットも電気もなくなったとしても消えることのない資産なので、期待リターンが低かったとしてもやはり保有する価値はありますが、ETF等を介したペーパーゴールドだったら微妙な気がしますね。
ただし、金本位制のような世界になってゴールドの時価総額がたとえば名目GDPと同規模まで膨らんだ場合、2050年時点の価格は44,800ドル/oz(名目11.9%、実質9.4%)になります。ゴールドに価格的な意味で強気になるためには金本位制実現まではいかなくてもそれに近いくらいのインパクトが必要そうに思えます。
よろしければ応援クリックお願いします
コメント