前回の記事と同じ考え方で今から2050年までの全世界株(ACWI)のリターンを予想してみました。
まず、MSCI ACWIの7月末時点の上位10銘柄の時価総額は15.89兆ドルでウェイトは21.23%だったそうなので、ACWI全体の時価総額は74.87兆ドルということになります。
出典:MSCI |
全世界の株式時価総額/全世界名目GDPは50%~110%程度で推移してきたと思われるので、2050年の名目GDPを前回記事で使ったのと同じ429兆ドルとすると、2050年時点の全世界株の時価総額とCAGRは下表のようになります。
過去記事:全世界の株式時価総額、ゴールド時価総額と全世界のGDP
しかし株式はゴールドやビットコインとは違って株主還元(配当+自社株買い)があります。米株、ヨーロッパ株、イギリス株、新興国株の株主還元利回りは以下のようになっています。
出典:J.P. Morgan Asset Management |
2050年までの株主還元利回りの平均値がどれくらいになるかは分かりませんが、1.5%~3.5%まで0.5%刻みで全世界株の米ドル建て名目トータルリターンを概算してみました。
作ってみて思いましたが、時価総額/名目GDP比率が高く株主還元比率も高い右下や時価総額/名目GDP比率が低く株主還元比率も低い左上は実際には実際にはあり得なさそうですね。
妥当かどうかは謎ですが、とりあえず弱気シナリオ(全世界株式時価総額/全世界名目GDP比率50%かつ株主還元利回り2.0%)で6.1%、中間シナリオ(同比率80%かつ株主還元利回り2.5%)で8.5%、強気シナリオ(同比率110%かつ株主還元利回り3.0%)で10.3%になります。
全世界株、ゴールド、ビットコインのリターン
ということで独断と偏見で作成した2050年までの名目リターンを前回のゴールドとビットコインもあわせて弱気、中間、強気でまとめてみました。
※ゴールドは弱気が時価総額/全世界GDP比率5%、中間が12.5%、強気が20%、ビットコインは弱気が同比率1%、中間が10%、強気が20%としており、ビットコインにネガティブな人にとっては楽観的すぎる設定だと思います。
2050年時点の名目GDPを概算するときに予想インフレ率2.46%を使ったのでこれでインフレ調整すると、実質リターンは以下のようになります。
ビットコインは強気派はもっと上、否定派は無価値になっていると思っているのではと思いますが、全世界株は高バリュエーションながらも長期ではまずまずの高リターン、ゴールドは既に時価総額/全世界GDP比率が高水準なのでインフレを若干上回る程度というのはだいたいこんなものかなと思っています。
(2050年時点の名目GDPは適当に拾ってきた実質GDPの数値を使っているので全然違う可能性も高いですし、強気シナリオではもっと上振れたり弱気シナリオではもっと下振れることもありそうです。)
私の感覚的にはゴールドとビットコインは前回記事の通りゴールド5,000ドル/oz、ビットコイン250万ドルくらい、全世界株はもう少し低めになるのではと思っているので、雰囲気予想実質リターンは全世界株5.4%、ゴールド0.4%、ビットコイン12.9%としておきます。
(ただ、これだとゴールドとビットコインの合計時価総額が全世界GDPの20%超となってしまうためどちらもこのリターンを達成する可能性は低いかもしれません。)
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