以前、ゴールドの時価総額はだいたい全世界のGDPの5%〜15%のあいだで動いているといえるのでは?という記事を書きました。
過去記事:全世界の株式時価総額、ゴールド時価総額と全世界のGDP
これをもとに2050年時点のゴールド価格を大雑把に計算してみることにします。
2050年時点のゴールド価格レンジ
まず、正確性はおいておいて、下記記事によると2050年時点の世界の実質GDP(2021年基準)は227.9兆ドルだそうです。
参考;MarketsVisualizing the Future Global Economy by GDP in 2050
インフレ率はとりあえず30-Year Expected Inflationの2.46%を使うことにすると、先ほどの実質GDP227.9兆ドルは名目だと約429兆ドルになります。
ということで、2050年時点のゴールドの時価総額は21.5兆ドル(429兆ドル×5%)〜64.4兆ドル(429兆ドル×15%)と仮定します。
その時点で地上に存在するゴールドの総量は難しいところですが、ここは2023年末時点の212,582トンに確認埋蔵量59,000トンを足した271,582トンということにしておきます。
(年間採掘量は長期的には増加傾向が続いていましたが、最近は年間3,500トンくらいで頭打ちになっているので今後の希薄化は少なめ?(59,000トン/27年=2,185トン/年ペース)にしています。)
出典:World Gold Council |
ということで、この条件をもとに2050年時点のゴールド価格を計算すると、2,240ドル/oz~6,720ドル/ozになります。
これを書いてる現時点のゴールド価格は2,426ドル/ozなので、名目の上昇率は-8%~+177%、CAGRで-0.3%~+4.0%です。インフレを考慮するとかなり微妙なところですね。
ゴールドは毎年新たにそれなりの量が採掘されるうえ、現状のゴールド時価総額/全世界GDPの比率が想定範囲のほぼ上限に位置しているのでこの比率が上がらない限りは上昇率は全世界GDP成長率以下にとどまるということになります。
今の非西側諸国中銀による金準備増加傾向がそのまま続くなどで比率が高まる場合、たとえばゴールド時価総額/全世界GDPの比率が1980年並みの20%になっていたとすると、2050年時点のゴールド価格は8,960ドル/ozで年率の上昇率は+5.2%になります。
2050年時点のビットコイン価格レンジ
ゴールドと同じ考え方で計算してみようと思いますが、ビットコイン時価総額/全世界GDP比率は分からないので、仮にゴールドの20%〜100%ということでビットコイン時価総額/全世界GDP比率は1%〜15%ということにしておきます。
過去記事:ビットコインの上値余地について
2050年時点の総発行量を2,098万BTCとすると、ビットコイン価格は204,480ドル〜4,089,600ドル、CAGRは+4.9%〜+17.8%です。
2050年時点のゴールドとビットコイン
ゴールド、ビットコインのそれぞれの時価総額/全世界GDP比率と価格、CAGRを表にまとめてみました。
SoV(価値貯蔵手段)としては時価総額/全世界GDP比率は15〜20%が限界だと思うので、これ以上は金本位制やビットコイン本位制みたいにならない限りは無理そうです。
ゴールドの場合は採掘量がもっと減少傾向になっていったら上昇余地がある一方、価格が高水準で推移することで採掘ペースが上がればもっと下がってしまいます。
この不確実性がないところは完全にビットコインのほうが優れているので、個人的には2050年までのあいだにはゴールドと時価総額が逆転するんじゃないかなと思っています。
(ただ、ブロック報酬がゼロに近づいていってマイナーの得られる報酬がほとんどトランザクション手数料だけになっていく過程でどこかで持続不可能になると主張する人たちもいるので、総発行量の固定も100%保証されている訳ではないというのはあります。)
そうならなかったとしてもゴールドとビットコインでSoVの需要を奪い合うことになるはずので、ゴールドとビットコインの両方の比率が15%〜20%みたいな高水準になっている可能性はほぼなさそうな気がします。
個人的にはビットコインに強気なので、ゴールド5,000ドル/oz、ビットコイン250万ドルくらいで予想しておきます。遠すぎる未来で答え合わせもできないので適当です笑
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