過去100年程度の各国の実質GDP成長率をみてみると、新興国は一時的に高い成長率が持続することがあっても成熟国は2%程度に落ち着いており、自然な状態ではこれがサスティナブルな成長率なのかなと思っています。
過去記事:実質GDP成長率と木の成長率
一方、最近よく目にする「AGIピル」的なシナリオでは、今後10〜20年とかいう極めて短いあいだに実質GDP成長率は2%から30%以上みたいな冗談のような水準にまで飛躍的に上昇するのではとも言われています。タイムラインが妥当かは置いておいて、2%は人間がボトルネックになっているために、AGI・ASI後の世界ではこれまでとは比較にならない速度で成長するというのは確かにあり得そうな気がします。
そういう世界が到来した場合、素直に考えると実質GDP成長率が数十%まで比較的に上昇する=企業利益が急増加する=株価が暴騰する(恩恵は主に投資家が受ける)ということになりそうです。
しかし一方でほとんどのものの価格が大幅に下落して最終的にはほぼ無料で入手できるようになる(恩恵は主に消費者が受ける)シナリオでは企業利益はそれほど急激には増えないので株価の上昇はマイルドということになり、個人的にはこちらのほうがあり得そうというかそうであってほしいなと思っています。
過去記事:やはりAIの恩恵を主に受けるのは消費者なのではと改めて思った
あるいはより大きな政府が凄まじい利益を得る企業に重税を課して大半の一般庶民はベーシックインカムに頼って生きるというのもあるかもしれません。このシナリオでは株式はあまり利益を生まなさそうですが、ベーシックインカムがあるので庶民は別にそれでも問題なさそうです。私有財産が脅かされそうな感じはありますが…
他のアセットを考えてみると、国債は大きな政府シナリオでは価値が保たれるとしても、それ以外では政府の役割がなくなっていくので最終的には消滅しそうです。株式市場はボラティリティが高まりそうなので安全資産としてはしばらくは良いのかもしれません。
不動産は宇宙とかバーチャル空間に移行していくならどのシナリオでも希少性が失われていきそうな気もしますが、宇宙進出したSF作品等では宇宙にコロニーがあっても地球のほうが住みたい人が多くて富裕層以外は住めないみたいなのもあったりしますし、案外どこに住めるようになっても地球に残りたい需要は大きくてむしろ上昇する可能性もあるかもしれません。
株式は最も有望そう、不動産もそれなりに良さそう、国債は役割がなくなりそうな雰囲気はあるものの一応は低ボラ資産として意義もしばらくは残りそうですが、ゴールドはそうした世界が到来したらどのシナリオでも下落するほかないように思えます。
小惑星にはゴールド等の貴金属が大量に含まれているみたいな話もありますし、地球上にも採算が合わないだけで海水には膨大な量が溶けている訳で、飛躍的な高成長の時代に突入したら近い将来にゴールドの希少性が完全に失われるのは自明だと思います。であればその前の段階で希少性消失を織り込んで価格下落が始まるんじゃないかなと。
もともと個人的には長期的にはSoVとしてはゴールドよりも断然ビットコイン派だったのですが、私たちが生きている間にAGI誕生→超高成長時代に突入する可能性が少しでもあるのであれば、ゴールドはそもそも希少性を保てなくなる可能性があるということでビットコイン一択かなと最近は考えています。
よろしければ応援クリックお願いします
![]() | ![]() |
でも古来より人類は金が好きですよね。AIが主体性を持った時に金に価値を見出す気はしないですが
返信削除単純に美しいだけじゃなくて供給量が毎年大幅に増えることがないというところが長年にわたって価値を保ってきた理由だと思うので、AGIができなくても仮に技術革新によって供給量がいくらでも増やせることが分かったらやはり下がるんだろうなと思います。
削除今みたいにせいぜい毎年1~2%程度しか供給量を増やせないと思われているあいだは最も堅牢な資産であり続けると思います。
技術革新によって金が暴落する光景は興味本位では見てみたいですね^^
削除諸行無常を感じたいです。
本当に生きている間に見てみたいです!
返信削除