実質GDP成長率と木の成長率


最近読んだ古舘恒介著『エネルギーをめぐる旅』という本で、杉やヒノキが生木になるまでにおよそ50年かかる、つまり木の成長率は約2%なので、自然な状態でサスティナブルな実質経済成長率も2%といえるのでは?(意訳)という話がありました。


過去百数十年の個別国の実質GDP成長率をみてみると、キャッチアップ中の国は2〜3%程度になっていても、成熟国は2%程度となっており、実質GDP成長率2%と樹齢の50年サイクルがだいたい一致しているのは面白いなと思います。


まあこの時期はもはや木材は主要なエネルギー源ではなく、木材を燃やしたときのエネルギーに依存していた産業革命以前は実質GDP成長率1%以下だったので、木の成長率によってキャップされているとは言えませんが、物質的な基盤のうえでの自然な成長率は2%程度ということなのかもしれません。

出典:ピケティ『21世紀の資本』図表


これがたとえば核融合発電で無尽蔵にエネルギーが生み出せるようになったりしたら2%より高くなったりするのか興味深いです。



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コメント

  1. 面白いお話ありがとうございます。
    似たような話で、人類の歴史からみて、貸出金利は5%程度という説をとなえておられた方がみえました。
    2000年位に出版された本で、著者の名前は忘れましたが(短期金融市場のディーラーの方)、書名は「金利史観」です。
    金利の歴史を淡々と記されていて、読んでて疲れる本でしたが、歴史を違った角度からみれて面白かったです。

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    1. 面白そうな本ですね!
      拾い画なんですけど、5000年では紀元前3000年(古代メソポタミア)、紀元前1772年(バビロン)では20%、紀元前539年(ペルシア帝国)では40%、紀元前500年(古代ギリシャ)では10%、紀元前443年(共和制ローマ)では8.33%、紀元前300~200年(アテネ/ローマ)では8%、1年(帝政ローマ)では4%…っていう風に徐々に下がってきているそうです。
      https://ronaldread.blogspot.com/2020/03/lowering-of-interest-rate.html
      帝政ローマ以降は4〜6%のレンジながら徐々に下がり気味という感じなので、貸出金利5%程度というのとだいたい一致しているなあと思いました。

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