AIの恩恵は投資家と消費者のどちらにいくのか


過去40年間はPC(1980年代)、インターネット(1990年代)、スマートフォン(2000年代)、SNS普及と大手テックブーム(2010年代)と急激な変化が起きたのにも関わらず、株式リターンは50年前よりもわずかに高かっただけだったため、技術革新はコストを削減して価格を引き下げる効果はあっても株式リターンが高くなる訳ではないという話があります。

AIで今後劇的な変化が起きることについてこの考え方を当てはめると株式リターン水準は据え置き、コストの劇的な下落の恩恵はほとんど消費者が享受するということになり、これが続いていくとそのうちほとんどのものの価格はゼロに向かって下落していく、つまり最終的に色々なものが無料で入手できる世界に近づいていくはずです。

しかし一方で、最近は今後の世界の実質GDP成長率は今までの10倍以上に跳ね上がるとか、AGIが誕生するとその時点で格差は固定されて逆転不能になるみたいな予測も出てきていて、これはコスト下落の恩恵は今までとは違って消費者ではなく投資家が享受するという前提だと思います。

今の米株市場の高いバリュエーションはそういう投資家にとって薔薇色の未来を一部織り込んでいるのかもしれませんが、かと言って劇的な恩恵を織り込んでいるほど割高感があるかといえばそうではないと思うので、主に投資家が恩恵を受けるシナリオでは今の株価は超割安で、今後10年、20年は過去10年、20年と比べて遥かに高いリターンを叩き出すということも十分に考えられそうです。

主に消費者が恩恵を受けるシナリオの場合は今の株価は割高で、よく言われているように今後10年は過去と比べるとかなり低いリターンにとどまるということになりそうです。

実際にはどちらかが総取りみたいになるよりはどちらにとってもそれなりにポジティブなことになるのかなと思いますが、投資家寄りになった場合は社会の分断が一層進んでリタイアした人みたいな中途半端に資産がある層にとっては生き辛くなる可能性も高そうな気がするので、消費者寄りでみんな割と幸せな感じになっていってほしいなと今から割と切に願っています。



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