ゴールド価格・ゴールド時価総額・米名目GDPの長期推移


前々回の記事のデータを使って、今回はゴールド価格・ゴールド時価総額・米名目GDPの長期推移を見てみました。

 過去記事:金本位制時代の対GDP比のゴールド時価総額を概算してみる


まずは50年ローリング上昇率(米ドル建て)は以下のようになります。

金本位制下ではそもそも米ドル建てで固定されているので価格はゼロ、時価総額は新規採掘されるぶんだけプラスという感じですが、金本位制をやめてからも50年という期間では価格が米名目GDPを上回ったのは2010年代に入ってからでした。

(金本位制をやめてからはだいたいゴールド時価総額と米名目GDPは同じくらいのペースで増加しています。)


直近の急騰後でさえもGDPをやや上回っている程度であり、やはり金本位制放棄後ではGDP≒ゴールド時価総額>ゴールド価格だと思っておいて良さそうな気がします。


100年ローリングではこんな感じです。

100年では最近になってやっとゴールド時価総額>米名目GDPになっています。100年だと直近でもニクソンショック前の固定されていた時期を含むのでゴールドに不利ですが、超長期でみたときにゴールド価格がGDPを上回るのは原理的に厳しそうに感じます。


前々回の記事で作成したゴールド時価総額/全世界名目GDP比率の推移を見てみても、現在のゴールドはGDP比で金本位制時代のような水準にあるため、今後は楽観派が期待しているほどの上昇余地はないんじゃないかなと思っています。




よろしければ応援クリックお願いします
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

コメント

  1. ゴールドの記事、大変参考になります。ポートフォリオにどれだけ金を入れるか考えているのですが、直近の水準はいきすぎた感がありますね。金が下がるイメージがあまりないですが、AIでGDPがブーストして相対的に金の価値が低下するのですかね。

    返信削除
    返信
    1. たしかに行き過ぎ感はあるものの下がる気配なかなかないですよね。
      GDPが飛躍的に増加することがなくてもゴールドは横ばいで緩やかに比率が下がっていく感じかなと思っていますが、アメリカが方針転換して覇権国っぽく振る舞うようになったら急落しそうな気もします。

      削除

コメントを投稿