DGREは有配の新興国株のうち、グロースファクター(長期的な利益成長の期待)とクオリティファクター(ROAおよびROEの過去3年間の平均値)の組み合わせの順位付けを用いて選定された300銘柄で構成されている配当加重平均のETFです。
別のウィズダムツリー新興国株ETFのDGS(ウィズダムツリー 新興国小型株配当ファンド)は高配当+小型株効果を期待して投資しているのですが、最近、DGREも気になっています。
(過去記事:DGS(ウィズダムツリー 新興国小型株配当ファンド))
DGRE(ウィズダムツリー 新興国株クオリティ配当成長ファンド)
バリュエーション等比較
まずはバリュエーション等をDGS(ウィズダムツリー 新興国小型株配当ファンド)、DEM(ウィズダムツリー 新興国株 高配当ファンド)、VWO(バンガード・FTSE・エマージング・ マーケッツETF)と比較してみます。DGREはやや高PER、低配当利回りですが、クオリティというだけあって、ROAは他の2倍超、ROEは1.6~1.7倍程度もあります。規模が小さすぎて投資する上で不安がありますが、経費率は0.32%と新興国のスマートベータETFとしては低水準だと思います。
国別構成比率
時価総額加重平均のVWOと比べると韓国、ロシア、インド、インドネシア、メキシコのウェイトが高く、中国とブラジルが低いです。VWOは中国のウェイトが大きすぎますし、DGSやDEMではインドのウェイトがかなり小さくなってしまうので、国別構成比率ではDGREが一番好みですね。ただ、グロースファクターとクオリティファクターでスクリーニングすると現時点でこの構成比率になっているというだけで、数年経つとガラっと変わっていそうな気もしますし、例えばインド株のウェイトが高いETFとしてDGREを買うのはあまり良くなさそうです。
組入上位銘柄
組入上位10銘柄が占める割合は33.61%で、VWOの19.3%、DGSの9.19%、DEMの28.68%と比べても大きいです。分散という意味ではDGSが優れています。また、新興国株ETFとしては珍しく、ロシア株(非鉄金属生産大手ノリリスク・ニッケルと天然ガス生産大手ノヴァテク)が組入上位に入っています。
(過去記事:ERUS(iシェアーズ MSCI ロシアETF)構成上位銘柄②)
セクター比率
VWOと比べると一般消費財、生活必需品、ヘルスケアセクターの比率が高く、金融、エネルギーセクターが低いです。パフォーマンス比較
DGREは2013年8月1日に設定されたばかりの新しいETFなので約5年間(2013年9月~2018年8月)しかありませんが、パフォーマンスの比較です。リターンはVWO>DGS>DGRE>DEM、ボラティリティはDGS<DGRE<VWO<DEM、シャープレシオはDGS=VWO>DGRE、DEMです。
高配当のDEMは一見ディフェンシブに思えますが、ロシア株のウェイトが高いためか最大ドローダウンとボラティリティは他よりも大きいです。
新興国株のファクター別パフォーマンス('98年12月末~'17年1月末)
下表は新興国株のファクター別パフォーマンスです。トータルリターンではエンハンスト・バリュー、シャープレシオでは最小分散が最も優れていますが、エンハンスト・バリューや最小分散のETFは国内では取扱いがありません。DGREは配当成長なので高配当ではありませんが、クオリティ×配当成長というのも良いんじゃないかなと思っています。
出典:BMO Global Asset Management
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