実質GDP成長率とバリュエーション


よく「ある国の実質GDP成長率と株式リターンには相関がない」という話を耳にします。

ですが、これは高成長の株式は過大評価され、低成長の株式は過小評価されがちというのが主な原因だと思うので、同じバリュエーションであれば実質GDP成長率は高いほうが良いはずです。

名目GDP成長率と株式市場全体の利益成長率は長期的には一致するはずなので、実質期待リターンは以下の式で表すことができます。
(過去記事:米国の企業利益成長率と名目GDP成長率の関係
実質期待リターン=株式益利回り+名目GDP成長率-インフレ率
        =株式益利回り+実質GDP成長率
実質GDP成長率が高くてもバリュエーションが高くなりすぎる(株式益利回りが低すぎる)とリターンは低くなりますし、逆に成長率が低くてもバリュエーションが十分に低いとリターンは高くなります。

「高い実質GDP成長率が期待されているにも関わらずバリュエーションが低い国」に投資すれば特に高いリターンが期待できるはずです。

世界各国の実質GDP成長率の予測値とバリュエーション

ということで、世界各国の実質GDP成長率予測とバリュエーションを表にまとめてみました。
※バリュエーション実質GDP成長率はPwCの「The World in 2050(PDF)」に載っている2016-2050年の予測、PER、PBR、配当利回りは2018年9月末時点のMSCI指数のデータを使いました。
 

実質GDP成長率
(現地通貨)
PERPBR配当
利回り
ベトナム5.00%22.103.331.53%
インド4.90%24.502.801.26%
バングラデシュ4.80%12.681.323.18%
パキスタン4.40%11.021.315.55%
フィリピン4.30%17.391.951.65%
ナイジェリア4.20%7.221.335.53%
エジプト4.10%12.582.202.50%
南アフリカ3.70%20.231.973.05%
インドネシア3.70%15.792.392.54%
マレーシア3.50%17.391.732.85%
コロンビア3.30%14.551.412.60%
メキシコ3.30%19.842.172.38%
中国3.00%13.351.672.18%
トルコ3.00%7.551.144.32%
サウジアラビア3.00%15.911.893.64%
アルゼンチン2.90%24.422.552.77%
イラン2.90%---
ブラジル2.60%16.601.773.77%
タイ2.60%16.482.142.86%
オーストラリア2.30%15.602.004.23%
ポーランド2.10%11.131.252.38%
英国1.90%15.471.793.96%
ロシア1.90%7.090.955.44%
カナダ1.80%18.671.772.95%
米国1.80%23.853.341.80%
韓国1.80%9.831.102.09%
オランダ1.60%17.932.092.82%
フランス1.60%16.801.743.04%
スペイン1.40%13.381.294.32%
ドイツ1.30%15.281.702.94%
イタリア1.00%12.241.143.79%
日本0.90%14.691.392.03%

これをもとに先ほどの式(実質期待リターン=株式益利回り+名目GDP成長率)で各国の実質期待リターンを計算してみます。

実質GDP成長率益利回り実質期待
リターン
ナイジェリア4.20%13.85%18.05%
トルコ3.00%13.25%16.25%
ロシア1.90%14.10%16.00%
パキスタン4.40%9.07%13.47%
バングラデシュ4.80%7.89%12.69%
エジプト4.10%7.95%12.05%
韓国1.80%10.17%11.97%
ポーランド2.10%8.98%11.08%
中国3.00%7.49%10.49%
コロンビア3.30%6.87%10.17%
フィリピン4.30%5.75%10.05%
インドネシア3.70%6.33%10.03%
ベトナム5.00%4.52%9.52%
サウジアラビア3.00%6.29%9.29%
マレーシア3.50%5.75%9.25%
イタリア1.00%8.17%9.17%
インド4.90%4.08%8.98%
スペイン1.40%7.47%8.87%
オーストラリア2.30%6.41%8.71%
タイ2.60%6.07%8.67%
南アフリカ3.70%4.94%8.64%
ブラジル2.60%6.02%8.62%
英国1.90%6.46%8.36%
メキシコ3.30%5.04%8.34%
ドイツ1.30%6.54%7.84%
日本0.90%6.81%7.71%
フランス1.60%5.95%7.55%
オランダ1.60%5.58%7.18%
カナダ1.80%5.36%7.16%
アルゼンチン2.90%4.10%7.00%
米国1.80%4.19%5.99%

高成長×低バリュエーションのナイジェリア、トルコ、低成長×低バリュエーションのロシアが特に高い期待リターンになりました。

ロシアとトルコは既に保有していますが、ナイジェリアもサクソバンク証券でNGE(グローバルX MSCIナイジェリアETF)が買えるようになったので興味を持っています。
(過去記事:NGE(グローバルX MSCIナイジェリアETF)

一方で、低成長×高バリュエーションの米国、カナダ、オランダ、高成長×高バリュエーションのアルゼンチンは低いです。

成長率よりもバリュエーションのほうが国による差が大きいので、結局は低バリュエーションが最優先で、なおかつ高成長が期待できる国であれば尚良いといった感じかなと思います。


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