米国の企業利益成長率と名目GDP成長率の関係


当ブログでは世界各国の株式の割安・割高を判断するために、毎月イールドスプレッド(10年国債利回り-株式益利回り)を見ています。
(過去記事:世界各国のイールドスプレッド比較(2018年5月末)

イールドスプレッドはPERと長期金利だけで成長率が加味されていないので、リスクプレミアム(株式益利回り+利益成長率-10年国債利回り)も併せて判断したほうが良いのかなと思っています。

山崎元さんの記事によると、この利益成長率というのは投資家がイメージする企業の長期的な利益成長率のことで、当面予想されている名目GDP成長率を使ってリスクプレミアムを大雑把に計算することができるそうです。
(参考記事:山崎式「株価の高低判断法」

※実際にこの「株式益利回り+名目GDP成長率-10年国債利回り」の方法でリスクプレミアムの計算は何度かやってみたので、良かったら過去記事をご覧ください。
(過去記事:世界各国株式のリスクプレミアムを計算してみる
(過去記事:米国株のリスクプレミアム推移


長期的に企業利益と名目GDPの成長率が同じくらいになるというのは感覚的にも理解しやすい気はしますが、実際のデータではどうなっているのか気になったので調べてみました。


米国の企業利益と名目GDP


FREDで企業利益を調べると沢山出てきてどれを使えば良いのか分からなかったのですが、デフォルトの並び順で一番上に出てきた「Corporate Profits After Tax (without IVA and CCAdj)」と名目GDPを比較してみました。グラフは四半期毎のデータで、1947年第一四半期=100となっています。
出典:FRED

1947年~2017年で企業利益は約81倍、名目GDPは約80倍になりました。年率換算ではどちらも6.4%です。

対数グラフにすると以下のようになります。
出典:FRED
 
名目GDPに比べると企業利益はかなり振れ幅が大きいですが、長期でみると確かに同じように成長していますね。EPSと株価のファンダメンタルチャートを見ているような感じがします。

GDPには国内企業が海外で稼いだ利益が含まれないので、長期的に海外売上高比率が高くなっていったりすると企業利益と名目GDPがズレたりしないのかなと少し疑問に思っていたのですが、過去のデータをみる限りではほぼ一致すると考えて良さそうですね。


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