(過去記事:世界各国のバフェット指標を確認できるサイト)
バフェット指標はバリュエーションを測る指標で、
株式市場の時価総額÷名目GDPで求めることができます。
一方、PSR(株価売上高倍率)は以下の式で計算します。
株式市場の時価総額÷売上高名目GDPはその国に存在するすべての企業の売上高の合計と一致するはずなので、非上場企業が少ない国では
バフェット指標≒PSR(株価売上高倍率)とすることもできそうです。
米国のバフェット指標とS&P500のPSRを比べてみる
実際に一致しているのか、米国のバフェット指標とS&P500のPSRを比較してみました。※PSRはmultpl.comの月次データ、バフェット指標はFREDの年次データ(Stock Market Capitalization to GDP for United States)を使っています。
ただ、米国にも穀物メジャーのカーギルや食品メーカーのマース、コングロマリットのコーク・インダストリーズなど数多くの非上場大企業が存在しているため、名目GDPは上場企業全体の売上高よりも大きくなります。そのためか、分子が名目GDPのバフェット指標はほとんどの期間でPSRを下回って推移しています。
(グラフのPSRは米国市場全体ではなくS&P500ですが…)
グラフの2017年までしかありませんが、GuruFocusによると現在のバフェット指標は1.406(140.6%)です。PSRは2.15なので、両者の差は拡大しています。
世界各国のバフェット指標とPSRの比較
米国以外の国についてもバフェット指標とPSRを比べてみました。※バフェット指標はGuruFocus、PSRはStarCapital AGの2018年9月末時点のデータです。
思ったよりも差が激しいですね。
バフェット指標/PSRは
(株式市場の時価総額÷名目GDP)/(株式市場の時価総額÷売上高)なので、売上高/名目GDP比率でもあります。
非上場企業が多い新興国はこの比率が低く、イタリアやドイツを除く先進国では高い傾向にあるようです。
PSRとその後10年のリターンの関係
以下のように、CAPEレシオと将来リターンには強い負の相関関係にあります。
出典:StarCapital AG
PSRについては同じようなデータを見たことがありませんが、調べてみるとCAPEレシオと同様に低PSRは高リターン、高PSRは低リターンになっているようです。昔に比べると最近はズレが大きくなっているようにも見えますが…
出典:InvestorPlace
国同士を比べる場合はバフェット指標はあまり役に立ちませんし、PSRも将来リターンを予測する手段としては有用みたいなので、似たような指標としてはPSRのほうが使えるのかなと思います。
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