質屋を運営するFCFS(ファースト・キャッシュ・ファイナンシャル・サービシーズ)


今回は米国・ラテンアメリカで質屋を運営するFCFS(ファースト・キャッシュ・ファイナンシャル・サービシーズ)についてです。

私は質屋の仕組み自体よく知りませんでしたし、そういう上場企業があることすら意識していませんでしたが、TwitterでFCFSのことを教えていただいて興味を持ったので簡単に調べてみました。

質屋は品物を担保にしているので信用情報を基にした融資と比べて安全そうに思えますし、何となく不景気のほうが儲かりそうな気がします。

FCFS(ファースト・キャッシュ・ファイナンシャル・サービシーズ)

店舗は米国24州に1,055店、メキシコ32州に1,484店、中南米(グアテマラ、エルサルバドル、コロンビア)に69店、合わせて2,600店以上あります。2018年の売上高は米国が68.7%、メキシコが29.9%、その他ラテンアメリカが1.4%です。

出典:FirstCash Investor Presentation

ラテンアメリカは新規出店と買収で高成長が続いています。過去3年の成長率は年率15%、為替変動の影響を除いた恒常為替ベースでは年率22%です。質屋はUnbanked/Underbankedと呼ばれる銀行口座を持たない人たちにも融資できるので新興国には特に向いていそうです。

出典:FirstCash Investor Presentation

顧客の20%は持ち込んだ品物をそのまま買い取ってもらうようで、この場合は小売販売で35〜40%のマージンが得られます。顧客の80%は品物を担保にお金を借り、うち75%の顧客は月利12〜13%の利息・手数料を支払います。残り25%は質流れです。なお融資期間は30〜60日と短く、平均融資額は米国が173ドル、ラテンアメリカが68ドル程度だそうです。

出典:FirstCash Investor Presentation

売上の97%は質屋ビジネスによるもので、61%が小売販売、30%が手数料、6%がスクラップジュエリー販売です。

出典:FirstCash Investor Presentation


EPS推移

ZacksでEPS(TTM)チャートを見てみると、比較的安定的に高成長を続けていますが、不況下で利益が増えるという訳ではなさそうです。


不況になると他で借りられなくなった人が質屋に来たり、あとは質流れが増えてすぐに35〜40%のマージンが得られるので有利なのかなと思いましたが、不況下では質流れ品市場の需給が崩れて安売りを強いられたりするんでしょうかね。

PER推移

PERは右肩上がりに拡大し続けており、現在の27.78はやや割高感があります。また、リーマンショック前後で約65%(20.8→7.2)縮小しています。ちなみにディフェンシブセクター(生活必需品、ヘルスケア、公益)の主要銘柄の縮小率はだいたい30~60%でした。
(過去記事:公益セクター主要銘柄のPER推移

FCFSの過去パフォーマンス

1992年のIPO以来のトータルリターンは年率16.36%となっており、S&P500(9.65%)を大きくアウトパフォームしていますが、ボラティリティはかなり大きいです。
Portfolio Visualizer

不況下のドローダウンもS&P500と比べて大きいです。下がり始めるタイミングもS&P500よりも早いように見えます。
Portfolio Visualizer

ラテンアメリカ事業は高成長ですが、不況下では現地通貨安の影響が大きいのかもしれませんね。

不況下のドローダウンもS&P500より大きいですし、ディフェンシブ株としてはそれほど優れていないように思えます。

FCFSよりも小規模なEZPW(イージーコープ)という銘柄もありますが、これもやはり米国とラテンアメリカなので為替の影響が大きそうですし、過去のパフォーマンスもあまり良くないです。

また、ミレニアル世代はモノを所有しない傾向にあるので、この流れが広がっていくと質屋というビジネスが成り立たなくなっていくことも考えられそうです。あとはアリババの個人向け融資のように独自の信用スコアをもとに一瞬で融資可否を判断するような融資サービスが普及していけば、質屋の利用が減っていくかもしれません。

PERが低ければ少し買ってみたいですが、今の水準では微妙かなと思いました。


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