(過去記事:生活必需品株のディフェンシブ性について:主要銘柄のPER推移)
(過去記事:ヘルスケアセクター主要銘柄のPER推移)
米国公益セクター主要銘柄のPER推移
VPU(バンガード・米国公益事業セクターETF)の上位10銘柄(2019年3月末時点)と個人的に気になっている水道株3銘柄(AWK、WTR、AWR)のリーマンショック前からのPER推移を調べてみました。今回もチャートはZacksのものです。(過去記事:ファンダメンタルチャートが無料で見られるサイト)
NEE(ネクステラ・エナジー)
リーマンショック前後では約20.8→約10.2で51%ほど縮小しています。現在(26.01)はリーマンショック前のピーク時よりも25%ほど高い水準にあります。
DUK(デューク・エナジー)
リーマンショック前後では約15.5→約10.0で35%ほど縮小しています。現在(19.21)はリーマンショック前のピーク時よりも24%ほど高い水準にあります。
D(ドミニオン・エナジー)
リーマンショック前後では約19.9→約8.9で55%ほど縮小しています。現在(19.59)はリーマンショック前のピーク時とほぼ同水準にあります。
SO(サザン)
リーマンショック前後では約17.8→約11.5で35%ほど縮小しています。現在(19.47)はリーマンショック前のピーク時よりも9%ほど高い水準にあります。
EXC(エクセロン)
リーマンショック前後では約21.4→約10.0で53%ほど縮小しています。現在(16.58)はリーマンショック前のピーク時よりも23%ほど低い水準にあります。
AEP(アメリカン・エレクトリック・パワー)
リーマンショック前後では約17.4→約7.7で56%ほど縮小しています。現在(21.95)はリーマンショック前のピーク時よりも26%ほど高い水準にあります。
SRE(センプラ・エナジー)
リーマンショック前後では約14.2→約8.6で39%ほど縮小しています。現在(23.27)はリーマンショック前のピーク時よりも64%ほど高い水準にあります。
PEG(パブリック・サービス・エンタープライズ・グループ)
リーマンショック前後では約19.9→約8.4で58%ほど縮小しています。現在(18.90)はリーマンショック前のピーク時よりも5%ほど低い水準にあります。
XEL(エクセル・エナジー)
リーマンショック前後では約16.7→約11.4で32%ほど縮小しています。現在(24.52)はリーマンショック前のピーク時よりも47%ほど高い水準にあります。
ED(コンソリデーテッド・エジソン)
リーマンショック前後では約14.3→約11.2で22%ほど縮小しています。現在(20.65)はリーマンショック前のピーク時よりも44%ほど高い水準にあります。
AWK(アメリカン・ウォーター・ワークス)
リーマンショック前後では約19.3→約13.7で29%ほど縮小しています。現在(35.46)はリーマンショック前のピーク時よりも84%ほど高い水準にあります。
WTR(アクア・アメリカ)
リーマンショック前後では約35.0→約20.1で43%ほど縮小しています。現在(29.96)はリーマンショック前のピーク時よりも14%ほど低い水準にあります。
AWR(アメリカン・ステイツ・ウォーター)
リーマンショック前後では約30.2→約17.2で43%ほど縮小しています。現在(41.85)はリーマンショック前のピーク時よりも39%ほど高い水準にあります。
まとめ
公益セクターは海外売上比率が低く、貿易戦争の影響を受けにくいためか、最近は非常に株価堅調でPERはかなり高くなってきています。特に水道株3銘柄(AWK、WTR、AWR)はハイテク株のような高PERになっており、安定的な業績推移を考慮しても高すぎるように思えます。
電力株は原子力発電所事故や送電線が山火事を起こしたりといった自然災害で大打撃を受けるリスクがある一方で、水道株はそういったリスクが低そうなのでPER20台前半までなら投資したいなと思っているのですが…
(過去記事:公益セクターへの投資は控えめにしたい)
リーマンショック前のピーク時とほぼ同水準なのはDとPEG、現在のほうが明確に低いのはEXCとWTRだけです。ただし、WTRは低いといっても現在30近くなので割安とは言いがたいですし、EXCは原発比率が高いのであまり人気がないのかなと思います。
風力発電など再生可能エネルギー比率の高く、安定的に成長してきたNEEは魅力的ですが、そういった銘柄はやはりPERが高いです。
公益セクター全体が割高に思えるので今からVPUに投資するのも微妙な気がしますし、かと言って相対的に低PERなEXCは原発比率が高いので、当面は公益株に投資することはないかなと思います。
生活必需品、ヘルスケア、公益セクター主要銘柄のPER変化率
3記事にわたってチェックしてきた生活必需品、ヘルスケア、公益セクター主要銘柄のピーマンショック前後のPER推移を表にまとめてみました。(過去記事:生活必需品株のディフェンシブ性について:主要銘柄のPER推移)
(過去記事:ヘルスケアセクター主要銘柄のPER推移)
業績がディフェンシブだとしても、PERの縮小は30%~60%程度は覚悟しておいたほうが良さそうですね。
全銘柄の平均値はピークが20.4、ボトムが10.7で、PER変化率は-47%となりました。
なお、ピーク時のPERが比較的低くてもUNH(PER17.2から68%縮小) 、PFE(PER12.5から59%縮小)、LLY(PER17.0から59%縮小)、AEP(PER17.4から56%縮小)のように平均よりもPER縮小率が大きいものもありますし、ピーク時のPERが比較的高くてもMKC(PER20.8から36%縮小)、CL(PER24.8から42%縮小)、WTR(PER35.0から43%縮小)、AWR(PER30.2から43%縮小)のように平均よりもPER縮小率が小さいものもあります。
ディフェンシブ株かつ低PERだと下落相場のPER縮小は小さくなるような気がしますが、一概には言えないようです。
生活必需品、ヘルスケア、公益セクター主要銘柄の想定PER変化率
次回の下落相場のPERのボトムがリーマンショック時と同じと仮定したときの想定PER変化率を計算して表にまとめてみました。(WBAはリーマンショック時のボトムよりも現在のPERのほうが低いのでプラスになっていますし、当時とはまた状況が違っているのであまり意味のないものだとは思いますが…)
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