世界各国のイールドスプレッド比較(2019年8月末)


2019年8月末の世界各国のイールドスプレッドを見ていきます。

※イールドスプレッドは株式のバリュエーションを判断する指標のひとつで、10年国債利回りから株式益利回り(PERの逆数)を引いて計算します。

イールドスプレッド比較(2019年8月末時点)


PER益利回り10年国債
利回り
イールド
スプレッド
ロシア5.518.18%7.16%-11.02%
オーストリア10.99.17%-0.45%-9.62%
ハンガリー9.510.53%1.97%-8.56%
中国9.510.53%3.07%-7.46%
日本13.97.19%-0.13%-7.33%
韓国11.98.40%1.27%-7.13%
スペイン13.87.25%0.12%-7.13%
アイルランド15.36.54%-0.08%-6.62%
スウェーデン16.36.13%-0.37%-6.51%
ドイツ17.35.78%-0.71%-6.49%
イタリア13.57.41%1.03%-6.37%
ポーランド12.38.13%1.83%-6.30%
チェコ13.67.35%1.07%-6.29%
フランス17.45.75%-0.41%-6.16%
ポルトガル16.16.21%0.13%-6.09%
ノルウェー13.97.19%1.16%-6.03%
オランダ18.45.43%-0.55%-5.99%
シンガポール13.17.63%1.75%-5.88%
英国16.06.25%0.48%-5.77%
フィンランド18.85.32%-0.42%-5.74%
香港14.66.85%1.13%-5.72%
ベルギー19.05.26%-0.35%-5.61%
スイス22.44.46%-1.01%-5.47%
台湾16.56.06%0.68%-5.38%
イスラエル16.26.17%0.93%-5.25%
デンマーク22.04.55%-0.68%-5.23%
ギリシャ15.66.41%1.59%-4.82%
オーストラリア17.65.68%0.89%-4.79%
カナダ16.85.95%1.16%-4.79%
タイ17.55.71%1.48%-4.23%
ニュージーランド22.24.50%1.10%-3.41%
米国20.64.85%1.51%-3.35%
マレーシア20.34.93%3.31%-1.62%
フィリピン18.75.35%4.43%-0.92%
メキシコ15.26.58%6.97%0.39%
南アフリカ13.17.63%8.23%0.60%
ブラジル14.76.80%7.44%0.64%
インドネシア20.05.00%7.35%2.35%
インド27.53.64%6.56%2.92%
トルコ8.112.35%15.69%3.34%
※PERははStarCapital AG、10年国債利回りはInvesting.comのデータを使いました。

グラフ化すると以下のようになります。
イールドスプレッドが特に割安なのはロシア、オーストリア、ハンガリー、中国、日本、韓国、スペインで、割高なのはトルコ、インド、インドネシア、ブラジル、南アフリカ、メキシコです。

先月と比べると、ほとんどの国でPERは縮小、金利は大きく低下し、イールドスプレッドは割安になりました。

米国のイールドスプレッドも一時は-1%台だったのが今では-3.35%まで拡大しており、割高感が薄れてきています。
なお、40カ国中31カ国は10年国債利回りよりも配当利回りのほうが高い状態になっています。先進国ではキャピタルゲイン狙いで債券が買われ、インカム狙いで株式が買われている状況です。

配当利回り10年国債スプレッド
フィンランド5.10%-0.42%-5.52%
チェコ5.80%1.07%-4.73%
ポルトガル4.80%0.13%-4.68%
オーストリア3.70%-0.45%-4.15%
英国4.60%0.48%-4.12%
スペイン4.20%0.12%-4.08%
スイス3.00%-1.01%-4.01%
オーストラリア4.70%0.89%-3.81%
ドイツ3.10%-0.71%-3.81%
スウェーデン3.40%-0.37%-3.77%
オランダ3.00%-0.55%-3.55%
台湾4.20%0.68%-3.52%
フランス3.00%-0.41%-3.41%
ベルギー2.80%-0.35%-3.15%
ノルウェー4.30%1.16%-3.14%
デンマーク2.10%-0.68%-2.78%
イタリア3.80%1.03%-2.77%
日本2.60%-0.13%-2.73%
ニュージーランド3.50%1.10%-2.41%
アイルランド2.20%-0.08%-2.28%
シンガポール4.00%1.75%-2.25%
香港3.10%1.13%-1.97%
カナダ3.00%1.16%-1.84%
ギリシャ3.10%1.59%-1.51%
イスラエル2.40%0.93%-1.48%
タイ2.90%1.48%-1.42%
ポーランド3.10%1.83%-1.27%
韓国2.50%1.27%-1.23%
ハンガリー3.00%1.97%-1.03%
米国1.90%1.51%-0.39%
マレーシア3.40%3.31%-0.09%
中国3.00%3.07%0.07%
ロシア6.90%7.16%0.26%
フィリピン1.70%4.43%2.73%
南アフリカ4.70%8.23%3.53%
メキシコ3.30%6.97%3.67%
ブラジル3.00%7.44%4.44%
インドネシア2.50%7.35%4.85%
インド1.40%6.56%5.16%
トルコ3.50%15.69%12.19%

ちなみに米国の場合、1950年代までは配当利回りが10年国債利回りを上回る状態が続いていましたが、1960年代以降は配当利回りのほうが低い状態が普通になっています。
(過去記事:米国株(S&P500)のイールドスプレッド推移

CAPEレシオを使ったイールドスプレッド比較(2019年8月末時点)

最後に、益利回りの代わりにCAPEレシオの逆数を使ったイールドスプレッドを比較してみます。イールドスプレッドを計算するときにCAPEレシオを使うのが正しいのかは分かりませんが、PERを使った場合よりも一時的な要因を除けるので併せてチェックしています。

CAPE益利回り
(CAPEの逆数)
10年国債
利回り
イールド
スプレッド
チェコ9.910.10%1.07%-9.04%
韓国11.48.77%1.27%-7.50%
スペイン13.47.46%0.12%-7.35%
ポーランド11.09.09%1.83%-7.26%
オーストリア15.96.29%-0.45%-6.74%
ロシア7.213.89%7.16%-6.73%
ドイツ17.25.81%-0.71%-6.52%
ポルトガル15.76.37%0.13%-6.24%
英国15.86.33%0.48%-5.85%
香港14.56.90%1.13%-5.77%
シンガポール13.57.41%1.75%-5.65%
イスラエル15.26.58%0.93%-5.65%
ノルウェー15.46.49%1.16%-5.33%
スウェーデン20.44.90%-0.37%-5.27%
フランス21.04.76%-0.41%-5.17%
日本21.14.74%-0.13%-4.87%
スイス26.03.85%-1.01%-4.86%
フィンランド23.34.29%-0.42%-4.71%
ハンガリー15.06.67%1.97%-4.70%
オランダ24.84.03%-0.55%-4.58%
ベルギー24.44.10%-0.35%-4.45%
台湾19.95.03%0.68%-4.35%
イタリア19.15.24%1.03%-4.20%
オーストラリア19.85.05%0.89%-4.16%
タイ18.05.56%1.48%-4.08%
中国14.27.04%3.07%-3.97%
デンマーク32.03.13%-0.68%-3.81%
カナダ21.44.67%1.16%-3.51%
マレーシア15.06.67%3.31%-3.36%
ニュージーランド29.43.40%1.10%-2.31%
アイルランド52.11.92%-0.08%-2.00%
米国29.23.42%1.51%-1.92%
フィリピン19.65.10%4.43%-0.67%
メキシコ18.15.52%6.97%1.45%
ブラジル16.95.92%7.44%1.52%
インドネシア17.65.68%7.35%1.67%
インド20.54.88%6.56%1.68%
南アフリカ17.15.85%8.23%2.38%
トルコ7.712.99%15.69%2.70%
ギリシャ-3.3- 1.59%
※CAPEレシオはStarCapital AG、10年国債利回りはInvesting.comのデータを使いました。

グラフ化すると以下のようになります。
CAPEレシオを使った場合だとチェコ、韓国、スペイン、ポーランド、オーストリア、ロシア、ドイツが割安です。


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