新興国各国の長期パフォーマンス:BRK.Aに肉薄するメキシコ株


今回はふと気になったので新興国各国の長期パフォーマンスを比べてみました。

データはMSCIのドル建てのグロスリターンを使用しました。リターンはすべて年率換算です。
 過去記事:MSCI指数データのダウンロード方法

1987年12月以来のパフォーマンス比較

まずは一番古い1987年12月~2020年1月のパフォーマンスです。データがある国が限られているので新興国+10国だけです。
メキシコやブラジルと比べるとマレーシアやトルコはかなり低く見えますが、同時期のEAFEが5.70%、先進国が8.03%、全世界が7.96%なのでそれほど酷いパフォーマンスという訳でもなさそうです。

出典:MSCI

当時のバリュエーションのデータがないのでよく分かりませんが、基本的に新興国は先進国よりも高成長なので、同程度のバリュエーションであれば新興国のほうが高リターンになりやすいと思います。

GDP成長率=EPS成長率になる訳ではありませんが、(少なくとも今までは)長期的にはEPS成長率は新興国>先進国となっています。
 過去記事:先進国と新興国のEPSと名目GDPの関係

BRK.Aに肉薄するメキシコ株

特にメキシコは15.07%という凄まじい高リターンです。年率15.07%だと約32年で約90倍になります。

同時期のBRK.A(バークシャー・ハサウェイ) が15.92%なので良い勝負を繰り広げています。
ただし、1987年には低コストでメキシコに投資する方法はなかったと思うので、メキシコETFのEWW設定後を見てみるとEWWが+8.13%に対してBRK.Aは+10.19%でした。ボラティリティが高いので大きめに勝ったり負けたりを繰り返しています。

出典:Portfolio Visualizer

1994年12月以来のパフォーマンス比較

次は1994年12月~2020年1月のパフォーマンスです。
(ロシア、エジプト、チェコ、ハンガリー等は1994年12月からデータがあります。)
ペルー、エジプト、ロシア、ハンガリーが高く、フィリピン、タイ、マレーシア、中国が低いです。

約25年間では国によって差がかなり激しいです。米ドル建てなのでタイやフィリピンはインフレ調整後ではマイナスですね。

過去20年間・過去10年間のパフォーマンス比較

最後に、長期と言うほどでもありませんが、過去20年間(2000年1月~2020年1月)と過去10年間(2010年1月~2020年1月)も貼っておきます。
新興国株は国によってリターンのバラツキがかなり大きいので、先進国よりも均等加重が有利になりやすいような気がなんとなくします。
(MSCI EM Equal Country Weightedは2000年12月以来ではMSCI EMを大きくアウトパフォームしています。)
出典:MSCI



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