世界各国のCAPEレシオと中央値からの乖離率(2020年3月末)


2020年3月末時点の世界各国のCAPEレシオと中央値からの乖離率を見ていきます。

前回は2019年12月末で、だいたい四半期ごとにチェックしていこうと思っています。
 過去記事:世界各国のCAPEレシオと中央値からの乖離率(2019年12月末)

※今回使ったデータはすべてResearch Affiliatesのものです。Research Affiliatesのサイトには世界各国の時系列レシオCAPEレシオ等いろいろな役立つ情報が載っているので重宝しています。
 過去記事:世界各国の時系列CAPEレシオが見られるサイト

CAPEレシオ中央値からの乖離率(2020年3月末)

「CAPEレシオの現在値÷CAPEレシオの中央値-1」で乖離率を計算すると、以下のようになります。


CAPEレシオ
(現在値)
CAPEレシオ
(中央値)
乖離率
日本17.136.1-52.6%
EAFE13.424.4-45.1%
トルコ6.411.5-44.3%
マレーシア12.220.7-41.1%
ポーランド7.211.6-37.9%
インドネシア13.321.3-37.6%
タイ12.018.1-33.7%
メキシコ15.222.3-31.8%
韓国10.014.6-31.5%
新興国10.915.3-28.8%
香港13.118.3-28.4%
南アフリカ13.618.7-27.3%
アジア(除く日本)12.817.4-26.4%
ドイツ13.017.6-26.1%
スペイン10.614.1-24.8%
イタリア14.018.5-24.3%
ヨーロッパ12.917.0-24.1%
中国12.316.1-23.6%
英国11.314.4-21.5%
インド17.921.4-16.4%
スウェーデン17.020.2-15.8%
カナダ16.519.4-14.9%
フランス16.719.3-13.5%
先進国18.921.5-12.1%
オーストラリア14.916.6-10.2%
ブラジル12.613.8-8.7%
米国小型株38.041.4-8.2%
ロシア6.06.5-7.7%
台湾18.319.4-5.7%
全世界17.718.6-4.8%
スイス22.520.88.2%
米国大型株24.616.350.9%

コロナショックで過去中央値よりも高いのは米国大型株とスイスだけになりました。

日本とEAFEは過去中央値が高すぎるので省くとして、トルコ、マレーシア、ポーランド、インドネシア、タイ、メキシコ、韓国は30%以上低くなっています。

CAPEレシオのフェアバリューからの乖離率(2020年3月末)

Research AffiliatesにはCAPEレシオのフェアバリュー(RA Fair Value)も載っています。先ほどと同様にフェアバリューからの乖離率を計算すると以下のようになります。
※私はこのフェアバリューをどうやって算出しているのか理解していませんが、中央値だけだと判断しにくい国があるので併せてチェックしています。


CAPEレシオ
(現在値)
CAPEレシオ
(Fair Value)
乖離率
トルコ6.410.4-38.5%
ポーランド7.211.1-35.1%
ロシア6.08.7-31.0%
韓国10.012.9-22.5%
タイ12.015.1-20.5%
スペイン10.613.1-19.1%
マレーシア12.214.7-17.0%
英国11.313.2-14.4%
インドネシア13.315.5-14.2%
中国12.314.3-14.0%
新興国10.912.6-13.5%
アジア(除く日本)12.814.5-11.7%
ドイツ13.014.7-11.6%
南アフリカ13.615.2-10.5%
香港13.114.6-10.3%
ブラジル12.613.9-9.4%
メキシコ15.216.4-7.3%
イタリア14.015.0-6.7%
ヨーロッパ12.913.8-6.5%
EAFE13.414.2-5.6%
日本17.118.1-5.5%
オーストラリア14.915.4-3.2%
カナダ16.516.6-0.6%
フランス16.716.70.0%
インド17.917.80.6%
スウェーデン17.016.90.6%
台湾18.317.64.0%
全世界17.716.57.3%
先進国18.917.39.2%
スイス22.519.614.8%
米国大型株24.620.122.4%
米国小型株38.028.732.4%

CAPEレシオのフェアバリューよりも高いのは米国小型株、米国大型株、スイス、先進国、全世界、台湾、スウェーデン、インドのみとなりました。

トルコ、ポーランド、ロシア、韓国、タイは20%以上低いです。

ちなみにResearch Affiliatesのサイトでは様々なアセットの今後10年間の期待リターンが見られるのですが、2020/3/31時点では相変わらずロシアが最も高い17.2%となっています。(インフレ調整後ドル建て)

出典:Research Affiliates

ロシアに次いでトルコ(14.1%)、ポーランド(12.7%)、スペイン(10.6%)、マレーシア(10.1%)、インドネシア(10.0%)、ブラジル(9.6%)、英国(9.6%)…の順で高いです。

私はロシアと(このなかには無いですが)ナイジェリアはカントリーETF(ERUSとNGE)で投資していますが、あとはそれほど自信を持てないので個別に投資する予定はありません。
(以前はTUR(トルコ)、EPOL(ポーランド)、EWM(マレーシア)、EWZ(ブラジル)など色々保有していましたが、面倒に感じたので止めました。世界45カ国中で割安な12カ国に投資するGVAL(カンブリア・グローバル・バリューETF)というETFがトルコやポーランド、スペインなど低CAPE国をカバーしているので、低CAPE投資は特に割安だと思う国(今はロシアとナイジェリア)+GVALにしています。)


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