前回は2020年3月末で、だいたい四半期ごとにチェックしていこうと思っています。
過去記事:世界各国のCAPEレシオと中央値からの乖離率(2020年3月末)
※今回使ったデータはすべてResearch Affiliatesのものです。Research Affiliatesのサイトには世界各国の時系列レシオCAPEレシオ等いろいろな役立つ情報が載っているので重宝しています。
過去記事:世界各国の時系列CAPEレシオが見られるサイト
CAPEレシオ中央値からの乖離率(2020年6月末)
「CAPEレシオの現在値÷CAPEレシオの中央値-1」で乖離率を計算すると、以下のようになります。3ヶ月前は過去中央値よりも高いのは米国大型株とスイスだけでしたが、株価回復で以前に戻りつつあります。
CAPEレシオのフェアバリューからの乖離率(2020年6月末)
Research AffiliatesにはCAPEレシオのフェアバリュー(RA Fair Value)も載っています。先ほどと同様にフェアバリューからの乖離率を計算すると以下のようになります。※私はこのフェアバリューをどうやって算出しているのか理解していませんが、中央値だけだと判断しにくい国があるので併せてチェックしています。
Research Affiliatesのサイトでは様々なアセットの今後10年間の期待トータルリターンが見られるのですが、2020/6/30時点では相変わらずロシアが最も高い13.7%(インフレ調整後ドル建て)となっています。3ヶ月前は17.2%だったのでかなり下がりました。
出典:Research Affiliates |
なお、期待トータルリターンの散布図は期待ボラティリティが高いほど期待リターンが高い傾向になっていますが、過去10年間の実績トータルリターンの散布図は逆にボラティリティが高いほどリターンが低い傾向となっています。
(ちなみに過去10年間で最もトータルリターンが高かったのは米国大型株(+12.1%)で、最も低かったのは天然ガス(-18.6%)です。)
出典:Research Affiliates |
これは年初来で見ても同様の傾向となっています。
出典:Research Affiliates |
期待リターン(算術平均リターン)と幾何平均リターン
期待リターンは算術平均で、実際に得られるリターンの中央値は幾何平均に等しくなり、以下の式で求めることができるそうです。過去記事:期待リターン(算術平均リターン)と幾何平均リターン
幾何平均リターン ≒ 期待リターン(算術平均リターン) - 1/2×分散(標準偏差の2乗)
ボラティリティが大きいほど幾何平均リターンは小さくなるということですね。
たとえばロシアは実質期待リターン13.7%、ボラティリティ33.9%となっているので、幾何平均リターン≒8.0%となります。
私が投資している高ボラティリティのロシア(とここには載っていませんがナイジェリア)が今後10年間でどうなるのか興味深く見守っていきたいと思います。
よろしければ応援クリックお願いします
コメント