過去記事:世界各国のCAPEレシオとその後10年間の実質トータルリターン
過去記事:CAPEレシオが低い国への投資は米国株をアウトパフォーム
ですが、最近の低CAPE戦略はあまりうまくいっていません。
各国の2019年末時点のCAPEレシオと年初来パフォーマンス
下表は2019年末時点のCAPEレシオとPER、カントリーETFの年初来パフォーマンスをまとめたものです。(CAPEレシオとPERはStarCapital AGのデータを使用。チェコとハンガリーはカントリーETFがないのでMSCIの2020年8月末データを使いました。)
CAPEレシオと年初来パフォーマンスの散布図を作ってみました。
(CAPEがマイナスのギリシャのみ除外)
PERでは以下のようになります。
さらにこの中には含まれていないナイジェリアはPER4~5、CAPEレシオも少なくともロシア以下だと思われますが、年初来パフォーマンスは-31.2%であり、ブラジル(-35.8%)、ギリシャ(-31.6%)に次いで悪いです。
過去記事:NGE(グローバルX MSCIナイジェリアETF)構成銘柄のPERとCAPEレシオ
GVAL(カンブリア・グローバル・バリューETF)の低迷
年初来という短い期間だけでは何とも言えませんが、低CAPE戦略に近いGVAL(カンブリア・グローバル・バリューETF)もETFが設定された2014年3月12日以来でVTを大幅にアンダーパフォームしています。出典:Portfolio Visualizer |
年単位で見ても2016年と2017年以外はボロ負けです。特に2014年と2020年は酷い有様ですね…
出典:Portfolio Visualizer |
私は低CAPE戦略みたいな逆張りでは長期間アンダーパフォームしても仕方ないと思っていますが、GVALを運用するカンブリアは今年6月1日からアクティブ運用に切り替えてしまいました。
過去記事:GVAL(カンブリア・グローバル・バリューETF)、アクティブ運用に切り替え
2000年代前半〜2012年の間も低CAPE戦略はMSCI ACWIと大差ないように見えますし、かれこれ20年近くはうまくいっていなさそうです。
過去記事:CAPEレシオが低い国への投資は米国株をアウトパフォーム
出典:CXO Advisory Group |
近頃はバリュー投資の死という言葉を耳にするようになりましたが、バリュー/グロースでは少なくとも2000〜2007年くらいがバリュー優位の期間で、リーマンショック以降がグロース優位という感じなので、低CAPEの死のほうがひどいかもしれません。
過去記事:バリュー/グロースとディフェンシブ/シクリカル
もしかしたらまた低CAPEのターンが来て叩き売られた国々が高いパフォーマンスを残すこともあるかもしれませんが、このまま報われない期間が長期化しそうな気も普通にしますね…
私はポートフォリオの2割超を低CAPE戦略(NGE、ERUS、DGS、GVAL)に割いており、アンダーパフォームの一因となっていますが、めげずに続けていくつもりです。
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