昨年のレイ・ダリオの"Cash is Trash"発言以来、大規模な金融緩和下で貨幣価値が下落するのでは、という話をよく目にするようになりました。
最近のThe Financial Pointerの記事でも、レイ・ダリオやマーク・ファーバーが貨幣価値下落によって名目株価が下落しなくなる可能性について触れています。
現在、お金と信用の洪水の中にあり、それが資産価格を押し上げ、私たちが通常のことと信じてきたシステムを不可能にするように富を分配しているそれが私たちのお金と信用の価値を脅かしている。
最もありそうなことは、洪水が引かないこと。だから、これら資産は、価値が減っていくお金の尺度で計測すると下落しない。
単純に貨幣の価値が下落し、名目株価が下がらないのに、株式の価値(実質株価)が下落するのなら、これは正真正銘のリスクだ。どれだけの発現確率があるかはわからないが、コロナ・ショックにともなう貨幣増発の規模の大きさを考えると、無視できなくなってきたのかもしれない。
これが投資戦略を難しくする。
いつものように株価が下がるなら、現預金や債券が有利になる。
名目株価が上がり、貨幣の価値が下がるなら、リスク資産が有利になる。
ファーバー氏は、まやかしの貨幣の上に安住するだけではいけないと警告する。
前回レイ・ダリオが「市場サイクルは消滅した」と発言したときは直後にコロナショックが来たので何となく不吉な感じがしますが、私も(今ではないかもしれないけれど)近いうちに名目株価が下がらなくなる日がくるのではと素人考えでは思っています。
元々私は現預金はほとんど持たずに株式に突っ込むようにしてきましたが、これを踏まえてさらに強固なフルインベストメント派になりました。
過去記事:現金はゴミ、債券はバブル、ゴールドは利息を生まない、なので割高な株式を買う
あとは金利上昇でいよいよバリューがグロースをアウトパフォームするのではという意見が増えてきていますが、名目金利が低いままインフレ率が上昇する(実質金利が下落する)"Cash is Trash"ではグロース優位が続くはずなので、以前と比べるとグロース株のウェイトを増やしています。
資産形成期序盤の人間にとっては昔よりも期待リターンの低い株式を買わされることになるので全く良いことではありませんが、現金はゴミと化し、暴落待ちをしていても待ち望んだ水準まで落ちてこずにもっと割高な株式を買うことになる可能性もあると思います。ということで、私は今後もゴミは可及的速やかに株式につぎ込んでいくつもりです。
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