下図はハイパーインフレコピペでお馴染みのジンバブエのインフレ率推移です。
出典:TRADING ECONOMICS |
年率897垓%などと言われていた頃からみると随分マイルドになっていますが、それでもこの数年は年率100%超のハイパーインフレが続いています。
(ハイパーインフレの定義は3年間の累積インフレ率が100%超だそうです。)
自国通貨が猛烈な勢いで減価していくジンバブエでは購買力維持のためにビットコイン需要が高まり、2019年には一時1BTC=800万円超(580%のプレミアム)で取引されたこともあるそうです。
参考:アフリカ・ジンバブエでビットコイン価格が一時800万円を超える | その理由と影響は
ハイパーインフレ下で購買力を維持するためには、伝統的にはゴールド、今ではより便利なビットコインが有用なのは確かだと思いますが、その国の株式もそこそこなんじゃないかなと思います。
下図はMSCIジンバブエ指数(米ドル建て)のパフォーマンスです。
出典:MSCI |
2017~2019年にかけて急騰したのち大暴落しているのは為替の計算方法によるものだと思いますが、もっと長いスパン、たとえば過去10年間では米ドル建て年率トータルリターンは-3.09%となっています。
同期間のMSCI ACWIは+9.13%なのでかなり悪いですが、例えばMSCIナイジェリアは-2.14%なのでジンバブエと大差ありません。
(ナイジェリアも年率10%前後の高インフレが続いていますが、少なくともジンバブエのような破滅的なハイパーインフレではありません。)
出典:MSCI |
このハイパーインフレ下のジンバブエで銀行預金をしていたらほとんど紙屑になっていそうなので、米ドル建て年率-3%程度で済んでいたら購買力維持手段としてはまあまあなのではと思います。
(とんでもなく高ボラティリティなのでゴールドやビットコインが手に入るならそちらのほうが良さそうですが…)
ちなみにナイジェリアでもインフレヘッジや国際送金のためにビットコイン需要が高まっているそうですが、同様に利回りを求めて株式にも資金が流入しているようです。
過去記事:ナイジェリア、実質金利が大幅なマイナスで"現金はゴミ"に
一般的には高インフレは株式にとってマイナスとされていますが、新興国ではたとえば1992年~1994年のブラジルでインフレ率が5,000%近くまで急騰していくなかでドル建て株価も大きく上昇していたりといった例もあるので、一概に高インフレだからパフォーマンスが悪いとも言えないと思います。
過去記事:高インフレ下の新興国株
世界的にマイナスの実質金利が常態化しつつあるなかで、インフレヘッジとして株式がより大きく注目されるようになるかもしれません。
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