モンテカルロ法によるリタイアシミュレーションをしてみると、破産確率を下げるためにはボラティリティを抑えることが重要だということがよく分かります。
過去記事:モンテカルロ法によるリタイアシミュレーション(現金・債券を保有する場合)
このボラティリティという観点で考えると、日本人はアメリカ人よりもFIREしにくいのではと思います。
たとえばGPIFの資料を見てみると、過去25年間のデータをもとに推計されたボラティリティは国内債券が2.56%、外国債券が11.87%、国内株式が23.14%、外国株式が24.85%となっています。
出典:GPIF |
Portfolio Visualizerで過去20年間の米国株(US Stock Market)のボラティリティを調べると15.53%、米国債券(Total US Bond Market)は3.51%となっているので、ドルベースに比べると円換算はかなり高ボラティリティであることが分かります。
国内株式は自国通貨建てなのにかなり高ボラティリティですね…
そしてGPIFの基本ポートフォリオのボラティリティは12.32%とされています。
出典:GPIF |
一方、Portfolio Visualizerで過去20年間の米国株(US Stock Market)50%:米国債券(Total US Bond Market)50%ポートフォリオを調べてみると、ボラティリティは7.77%となっています。
出典:Portfolio Visualizer |
これもGPIFのポートフォリオとは中身が違うので単純比較はできませんが、日本人が外国のアセットに投資すると為替リスク分だけボラティリティがかなり高めになってしまうというのは確かです。
為替リスク分だけボラティリティが高くなることで、資産や取り崩し額等の条件が同じ場合はアメリカ人よりも日本人の方が破綻確率が高くなってしまうため、純粋に運用面だけで考えると日本人の方がFIREしにくい環境にあると言えそうです。
社会保障面では今のところは日本の方が恵まれているので総合的に見ると日本人の方が有利かもしれませんが…
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