【S&P500】最良の5ヶ月、最悪の5ヶ月を避けた場合のトータルリターン


チャールズ・エリスの「稲妻が輝く瞬間」はとても有名です。

これはは72年間のうち最良の5日間を逃すと利益が半減するというものですが、今回は5日間ではなく、月次データを使って最良の5ヶ月と最悪の5ヶ月を避けた場合はどうなるのかを調べてみました。

最良の5ヶ月、最悪の5ヶ月を避けた場合の実質トータルリターン

S&P500で最良の5ヶ月と最悪の5ヶ月をそれぞれ避けた場合の実質トータルリターンをグラフ化してみました。なお、データはmultpl.comのもので、期間は1871年1月〜2021年4月の約150年間、計算方法は下記記事と同じです。
1871年1月にS&P500に$1投資したら2021年4月には実質ベースで$26,752となりましたが、最良5ヶ月を除外した場合は$8,575、最悪の5ヶ月を除外した場合は$86,775となります。

年率換算では通常のS&P500が7.02%、最良5ヶ月を除外した場合が6.21%、最悪の5ヶ月を除外した場合が7.86%です。

下表は最良の5ヶ月と最悪の5ヶ月です。ベスト5はすべて1930年代ですが、ワースト5には最近のコロナショックとリーマンショックが入っています。

期間ベスト5期間ワースト5
1932/07-1932/0852.5%1929/10-1929/11-26.2%
1933/04-1933/0529.4%1932/03-1932/04-22.7%
1938/06-1938/0720.5%2008/09-2008/10-19.4%
1933/05-1933/0616.7%2020/02-2020/03-18.7%
1938/09-1938/1012.4%1931/11-1931/12-17.5%

S&P500の36ヶ月ローリング・ボラティリティ

S&P500の月次実質トータルリターンから作成した36ヶ月ローリング・ボラティリティは以下のようになっています。
ボラティリティは1929年の世界恐慌で跳ね上がり、1930年代は非常に高水準で推移しています。

先ほどのベスト5はすべて1930年代のものでしたが、ベスト6以下も1930年代や2009年、1970年代など、「稲妻が輝く瞬間」は案外ボラティリティが高まる弱気相場に多かったりします。

暴落したあとに狼狽売りをするとさらなる損失を防げる可能性もありますが、反対に稲妻が輝く瞬間を逃す可能性も割と高そうです。

S&P500の月次実質トータルリターンのヒストグラム

最後にS&P500の月次実質トータルリターンのヒストグラムを作ってみました。+10%以上の月はかなり少ないですが、-10%以下の月は結構あります。



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