今回はmultpl.comの月次データを使った概算S&P500の実質トータルリターン指数※(1871年1月~2021年3月)のドローダウンを計算してみました。
※計算方法は下記記事と同じです。
過去記事:米国株(S&P500)の10年・20年・30年・40年・50年・60年ローリング実質リターン
「ドローダウン=現在値/過去最大値-1」は以下のようになっています。
ドローダウンが最も大きかったのは世界大恐慌(1932年6月)の-76.86%、次いでITバブル&サブプライムショック(2009年3月)の-51.83%、金利・インフレ上昇期(1974年12月)の-50.10%、第一次世界大戦後(1920年12月)の-46.97%です。
(名目ベースではITバブル時の高値をリーマンショック前に回復していますが、インフレ調整後の実質ベースでは2013年になってやっと回復しています。)
高値を回復するまでの期間が特に長かったのは2000年9月~2013年4月の152ヶ月、1973年2月~1984年12月の143ヶ月です。
最大ドローダウン-76.86%を記録した世界大恐慌は1929年10月~1936年10月の85ヶ月で案外短い?です。ニクソンショック以前は不況下で強烈なデフレが起きていたので、インフレ調整後の実質ベースで見たほうがドローダウンは浅く短くなります。
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出典:multpl.com |
補足:名目ドローダウン
今回はインフレ調整後の実質ベースで計算しましたが、以前当ブログでご紹介した名目ベースのドローダウンは以下のようになっています。
過去記事:S&P500と新興国株のドローダウン
期間 | ドローダウン
(米ドル) | CAPEレシオ
(天井 底) |
1930/04 - 1932/06 | -83.0% | 25.84 | 5.57 |
2007/10 - 2009/03 | -56.8% | 27.32 | 13.32 |
1937/03 - 1938/03 | -54.5% | 22.04 | 12.38 |
2000/03 - 2002/10 | -49.1% | 43.22 | 21.96 |
1973/01 - 1974/10 | -48.2% | 18.71 | 8.74 |
1929/09 - 1929/11 | -44.7% | 32.56 | 21.17 |
1932/09 - 1933/02 | -40.6% | 9.76 | 7.83 |
1968/11 - 1970/05 | -36.1% | 22.20 | 13.98 |
1940/11 - 1942/04 | -34.5% | 14.64 | 8.54 |
1987/08 - 1987/12 | -33.5% | 18.33 | 13.39 |
1939/10 - 1940/06 | -31.9% | 16.82 | 12.84 |
1934/02 - 1935/03 | -31.8% | 13.93 | 10.40 |
1933/07 - 1933/10 | -29.8% | 13.75 | 11.70 |
1961/12 - 1962/06 | -28.0% | 22.04 | 16.83 |
1980/11 - 1982/08 | -27.1% | 9.65 | 6.64 |
1946/05 - 1946/10 | -26.6% | 16.01 | 11.39 |
1938/11 - 1939/04 | -26.2% | 16.15 | 13.92 |
1966/02 - 1966/10 | -22.2% | 23.70 | 18.83 |
1957/07 - 1957/10 | -20.7% | 16.87 | 14.15 |
1948/06 - 1949/06 | -20.6% | 11.58 | 9.07 |
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TOPIXは月次データがないと思うので当方では作れません。
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