低CAPE/全世界株、バリュー/グロースと長期金利(過去5年間)
過去5年間(2016/05/03〜2021/04/30)の低CAPE/全世界株、バリュー/グロース、長期金利をグラフ化してみると以下のようになります。※低CAPEはGVAL(カンブリア・グローバル・バリューETF)、全世界株はVT、バリューはVTV(米国バリュー)、グロースはVUG(米国グロース)を使っています。GVAL/VT、VTV/VUGはいずれも2016/05/03=100としています。データはYahoo Financeです。
過去5年間ではGVAL/VTとVTV/VUGはほぼ同じくらいとなっています。大雑把にみるとGVAL/VTとVTV/VUGはいずれも長期金利上昇局面で上昇(横ばいの時期も多いですが)、長期金利低下局面で下落といった動きをしていますが、GVAL/VTは2016年11月からの数ヶ月間や2021年初など金利急騰時にVTV/VUGが上昇しているなかで下落していたりと違った動きをしていることも多いです。
低CAPE/全世界株、バリュー/グロースと長期金利(2021年以降)
2021年以降では以下のようになります。
最近のCAPEレシオが低い国はロシア、トルコ、ポーランド等の新興国が多く、新興国は米長期金利上昇で下落しやすいので、急激な金利上昇局面の低CAPEは米国バリューとは異なりアンダーパフォームしやすいみたいな感じなのかなと思っています。
下図はGVALの2021年3月末の構成国です。VWOのような新興国株インデックスの場合は貿易収支が黒字の中国・台湾が過半を占めていますが、GVALに含まれるのはファンダメンタルズが弱く米金利上昇の影響を受けやすい非アジア国が多いため、新興国株がアンダーパフォームする局面ではより弱くなりそうです。
出典:Cambria |
90日ローリング相関
最後にGVAL/VT - TLT、VTV/VUG - TLTの90日ローリング相関を作ってみました。
全期間の相関係数はVTV/VUG - TLTが-0.18に対して、GVAL/VT - TLTは0.02です。
単純に「バリュエーションが低い=デュレーション(金利感応度)が短い=金利上昇に(相対的に)強い」という風に考えると低CAPEは相対的に金利上昇に強そうな気がしてしまいますが、構成している国の脆弱性を考えると金利上昇局面でのアウトパフォームはあまり期待できなさそうですね。
過去記事:【割引率感応度】成長率と割引率とPER
じゃあ低CAPEはいったいいつアウトパフォームするんだろうかと思ってしまいますが、低CAPE戦略は2000年前半くらいまでは上手くいっていたので、いつかはきっと報われる日が来るのではと思っています。
過去記事:低CAPEの死?
出典:CXO Advisory Group |
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