NGE(グローバルX MSCIナイジェリアETF)のディスカウント、再拡大


NGE(グローバルX MSCIナイジェリアETF)のNAVに対するプレミアム/ディスカウントは2020/11/18に過去最悪の-31.63%を記録したのちは縮小傾向にありましたが、足元では再拡大しています。
 過去記事:NGE(グローバルX MSCIナイジェリアETF)のディスカウントが縮小傾向

2021/8/9現在は-24.50%と昨年末くらいの水準にまで戻ってしまいました。

この異常なディスカウントについて、Global Xのサイトでは以下のような説明が追加されていました。やはりNAVは公式為替レートを使用しているものの、米ドルの流動性が不足しているナイジェリアでは実際に市場参加者がこのレートでナイジェリア・ナイラを売却することは不可能なため、ETFはナイラ切り下げを織り込んだ価格で取引されているということです。

出典:Global X

Global Xのサイトに組入銘柄の米ドル建て株価が新たに追加されていたので、ナイジェリア・ナイラ建ての株価からUSD/NGNレートを計算してみると、410~414程度となっています。


Market Price
(USD)
Market Price
(NGN)
USDNGN
Dangote Cement Plc0.58240.00413.79
Nestle Nigeria Plc3.741,540.00411.76
MTN Nigeria Comm0.41168.10410.00


CBN(ナイジェリア中央銀行の公式レート)が409.12/410.12となっているので、だいたいそれくらいですね。

出典:NgnRates.com

ブラックマーケットやBDC(Bureau De Change:ラゴス公認両替商の実勢レート)が505くらいなので、このレートを織り込んでいるとしたらディスカウント率は-19%くらいになるのが正常だと思われます。

(ちなみに暗号通貨の相対取引所LocalBitcoins.comでは現在1BTC=2300万NGN前後で取引されており、このレートから計算してもUSDNGNは500くらいになります。)


実際のディスカウント率は-24.5%なので、現在のNGEのディスカウントは若干行き過ぎなのではと思いますが、今年6月上旬には公式為替レートとブラックマーケットやBDCとの乖離が-18%でNGEのディスカウントは-12%程度だったので、5~6%ポイントくらいは普通にズレるものなのかもしれません。


公式為替レートとブラックマーケットやBDCとの乖離も拡大傾向にあるので、今後しばらくは-15%から-25%の間を行ったり来たりするものと思っておこうかなと思います。




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