ゴールドと米実質金利が逆相関であることはよく知られていますが、ゴールド以外の資産価格もだいたいは実質金利と逆相関です。
過去記事: ゴールド、ビットコイン、米国株、新興国株、REITと米国物価連動国債、米国債の相関
株式の場合、PER=1/(長期金利+株式リスクプレミアム−成長率)=1/(実質長期金利+株式リスクプレミアム−実質成長率)と考えると、実質金利が変化しても同じだけ実質成長率が変化すればPERには影響しないはずですが、実際には実質金利とPERは逆相関の関係にあります。
過去記事:【長期金利と株式リターン】良い金利上昇と悪い金利上昇
米名目金利の場合はだいたいの期間で株式と順相関となっていますが、実質金利になると順相関のアセットクラスがなかなかありません。
Portfolio Visualizerで物価連動国債(TIP)と各アセットクラスとの相関係数を調べると、以下のように0.14(米小型株)~0.76(米総合債券)となっています。つまり実質金利との相関係数はすべて負ということになります。
(期間は2008年1月~2021年9月、月次リターン)
米セクターETFでみてみると、相関係数は景気敏感セクターは低く、ディフェンシブセクターは高い傾向にありますが、やはりすべて相関係数は正(実質金利は負)です。(コミュニケーション・サービスと不動産は設定後日が浅いので除外。期間は2004年1月~2021年9月)
カントリーETFでは以下のようになります。(期間は2015年10月~2021年9月)
最も低いナイジェリアについてもっと長期でTIPとの相関係数のグラフを作ってみると以下のようになりました。
出典:Portfolio Visualizer |
どこか特定の期間だけTIPとの相関係数が負というのはありますが、実質金利と順相関といえるものは存在しなさそうです。
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