法の支配指数とCAPEレシオ


今回は各国の「法の支配指数(WJP Rule of Law Index)」とCAPEレシオの関係について調べてみました。

 過去記事:法の支配、私有財産権の重要性


下表は各国のWJP Rule of Law IndexとCAPEレシオ(Research Affiliatesの2021年11月時点)をまとめたものです。

Rule of LawCAPE
スウェーデン0.8624.0
ドイツ0.8418.6
カナダ0.8023.9
英国0.7913.9
オーストラリア0.7919.4
日本0.7923.2
香港0.7515.3
韓国0.7415.4
スペイン0.7314.5
フランス0.7225.8
米国0.6938.0
イタリア0.6621.7
ポーランド0.6410.5
南アフリカ0.5816.7
マレーシア0.5713.2
インドネシア0.5216.5
ブラジル0.5014.2
タイ0.5015.3
インド0.5031.6
中国0.4714.5
ロシア0.468.6
メキシコ0.4319.4
トルコ0.427.6


横軸にWJP Rule of Law Index、縦軸にCAPEレシオでグラフ化してみました。


インドと米国は際立って高CAPEですが、大雑把にみると法の支配が確立していない国ほどCAPEレシオが低くなっています。
※ちなみに2007年頃は新興国全般が高CAPEでロシアやトルコも20超でした。
 過去記事:2007年10月と2021年4月の世界各国CAPEレシオを比べてみる


Rule of Law Indexが低い国を除外すると、低CAPE国はポーランド(10.5)、マレーシア(13.2)、英国(13.9)くらいです。


「ティリングハストの株式投資の原則」では1990年代にPER0.5というとんでもない安値で取引されていたロシアの石油会社ユコスが接収された例などを挙げ、新興国株よりも法の支配や民主主義が確立されている先進国への投資を推奨していましたが、低CAPE戦略でも単純にCAPEレシオが低い国を選ぶのではなく、Rule of Law Indexみたいなものを使って調整したほうがいいんだろうなと改めて思いました。

 過去記事:新興国では特にシェアホルダーイールドが重要に思える


まあ調整を加えてもトルコやロシア、ナイジェリア等は現在の加熱気味な株式市場のなかでは相対的に安いと思うのですが、ポーランドやマレーシア、英国みたいな国を選んだほうが安全かもしれません。


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