株価が恒久的に高い高原に到達したら格差は縮小する


武者リサーチにrとgに関するこんな図が載っていました。

出典:武者リサーチ(PDF

r1(利潤率)とg(成長率)の乖離が広がりすぎれば経済が恐慌に陥るので、gを高めてr1を引き下げることでこの差を縮小させる必要があるという話です。


今回は肉体労働者を中心に賃金が上昇していてgが高まることでポジティブということだそうですが、②の"株高による時価ベースでの利潤率(益利回り)の低下”というところも結局はr1を引き下げて両者の差を縮小させる効果があるんですよね。


これは前にもブログに書いたことがあるのですが、資産価格が上昇する過程ではたしかに格差が拡大するものの、一旦高値圏まで上がったあとはそのままずっと割高で推移したら、そこからあとはgとの乖離が小さいので格差は拡大しにくいはずです。

 過去記事:【r>g】資本収益率と経済成長率


過去40年間は金利低下によるバリュエーション拡大の追い風がありましたが、もし今後数十年が再び金利上昇に転じるとしたらその過程では格差が縮小するものの、また金利低下に転じる局面ではまたまた格差拡大に繋がることになります。

 過去記事:長期金利上昇局面と低下局面における米国株のリターン


そう考えると、アーヴィング・フィッシャーがかつて言ったように株価が恒久的に高い高原に到達すれば、到達するまでの過程はさておきその後は社会にとっては案外良いことなのかもという気もします。


恒久的に高い高原に到達したあとは低い資本収益率に頼って生きていくのが難しいのでFIREを目指すことはかなり難しくなりそうですが…




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