(私は一切読んでいないので、r>gのところしか知りません。)
一時はとても話題になりましたが、「r>g」自体は株式投資家にとっては当たり前ですよね。
PERは以下の式で表されるため、gがrに近付くとPERは無限大になります。
PER=1/(r-g)
また、別の考え方をすると、r=株式リスクプレミアム+名目長期金利、g=名目GDP成長率なので、「r=g」は「株式リスクプレミアム+名目長期金利=名目GDP成長率」ということになります。
長期的にみると名目GDP成長率はだいたい名目長期金利に近い数字になるので、r=gだと株式リスクプレミアムはほぼゼロとなり、これはどう考えてもおかしいです。
過去記事:低金利が必ずしも良いとは限らない
単純にrとgの差を小さくなると格差が拡大する
もし今後rとgの差が小さくなっていくとしたら、単純に考えるとPER=1/(r-g)の分母が小さくなり、PERが上昇(株価が上昇)するので、株式を保有する人とそうでない人の格差は拡大します。(gが上昇する場合は所得も上がると思うのでそうならないかもしれませんが、たぶん今後rとgの差が小さくなるとしたらrの低下が原因だと思います。rが低下すると新しく株式に投資する人にとっては期待リターンが下がるのでマイナスですが、既に保有している人は株価が上がるのでプラスです。)
たとえばシーゲル教授は今後200年の株式の実質トータル・リターンは過去と比べると若干低い5~5.5%になると見ているそうです。
参考:今回は違う理由:ジェレミー・シーゲル(The Financial Pointer)
私も今後は過去と比べてrが低くなるのでPERは過去よりも高い水準で推移する(つまり過去の基準ではずっと割高な株価のまま)ような気がしています。
過去記事:株式リスクプレミアムは今後縮小していくのだろうか:縮小要因と拡大要因
『21世紀の資本』ではそういう意味ではなく、グローバルに資産課税をかけることでrを引き下げるべきという話かと思いますが、たぶん放っておいても将来はrとgの差が縮まっていくんだろうなと思います。
よろしければ応援クリックお願いします
gは経済成長率だそうですが、株式会社を例にすると、営業利益レベルの利益を前提にすれば、利益は、法人、人件費(従業員取り分)、税や強制的な社会保障費徴収、株主の取り分たる配当、の4つに配分されるように考えています。
返信削除コロナ禍で、当分の間は、倒産、失業を食い止めるために、
まずは劇的に大幅減配されたり、自己株式の買い入れが減るような気がしますが、
庶民の累積的な株式投資の方針に当たって、大きな方針を何か変更されておられますか?
(自己株式の買い入れは、会社の取り分を自ら減らしている事になるかな、と思います)
目下のパンデミックと、さらには何となく水害やこれに伴うダム決壊などが増えそうなので、スペイン風邪は100年ほど昔ですし、
過去の統計からの検証に当たって、前提が変わっている部分もないか、と思っております。
さらに、長期利子率が数十年間、下落していて、現代ではゼロ金利だとか、マイナス金利だとか言い出していますので、大きな経済モデル自体がかなり変わったエポックなのでは、という気もします。
蛇足ですが、日本は感染爆発が無いのが不思議だそうですが、まず現在の感染状況自体不明な状態なので、重篤になる高齢者だけ気を付けて、若者は経済活動に復帰してよいという考え方は、
同居人同士で若者から高齢者に感染し、潜伏期間中の高齢者が介護施設や災害避難所で感染すると思うので、日本も見た目よりは危機的では、と思います。
山峡ダムが危ないらしいですが、日本も大雨、台風が心配ですね。
行政が分かりやすい対応や対策をしない傾向なので
正直、いろいろ不安で、大変長くなりすみませんでした。
例えば、ネットを前提としたリモートワーク化などが進むでしょうが、
共働きの子持ち夫婦が部屋数が少ない家に住んでいたりすると、一体どうしてるのでしょうね。
営業利益レベルということなら人件費は引かれたあとなので入らないですよね。
削除「フリーキャッシュフロー=営業利益-税金+減価償却費-設備投資-運転資本増減」で、これが株主と債権者に分配できるものになり、私の保有銘柄でも債務が多いために減配や配当停止に至ったものが結構あります。
大幅に投資方針を変えるつもりはありませんが、オールドエコノミーからニューエコノミーへのシフトはまだ始まったばかりなので今後もハイテク株のアウトパフォームが続くんじゃないかなとは考えていて、もう少しハイテク株のウェイトを高めたほうがいいかなとか、航空需要は以前の予測のようには伸びないとしたらBA等はあまり期待できないかなとかは色々考えています。