G(名目経済成長率)>R(長期金利)はマーケットフレンドリー


武者リサーチのレポートで、米国経済・市場に対して強気である根拠として、G(名目経済成長率)がR(長期金利)を上回る相対的低金利の継続を挙げていました。
 参考:マイナス実質金利の下でのドル高進行

株価=EPS/(株式リスクプレミアム+長期金利-成長率)で表すことができるので、金利よりも成長率が高い状況が続くのはたしかにとてもマーケットフレンドリーなんですよね。

これに似たものでは、景気にとって重要なのは長短金利差(イールドカーブ)よりも投資利鞘(名目潜在成長率-長期金利)という話もあります。
※足元では思いっきり逆イールドになっているのでそこだけを見ると景気後退待った無しということになると思いますが、今回の場合は投資利鞘を見たほうがいいという以前に超高インフレが急速に落ち着いていく感じなら名目金利差が逆転するのは当たり前なので実質ベースで見る必要がありそうな気がします。

名目GDP成長率と長期金利を並べてみると、1980年以前は割とG>Rの時期が普通だったのが1980〜2010年はR>G、2010年以降はコロナショックの一瞬を除いてずっとG>Rが続いています。



名目潜在成長率を使った場合は以下のようになります。名目経済成長率は高インフレが落ち着いたあとは4%弱で安定するので、再びR>Gが定着することはなかなか考えにくそうです。



ちなみに、「名目GDP成長率-長期金利」とCAPEレシオを並べてみると以下のようになります。

過去30年間くらいは「名目潜在成長率-長期金利」を使ったほうが良さそうです。

もしかすると長年続いた金利低下局面が終わるのではという説もありますが、いずれにしても相対的低金利(G>R)が続きそうなので、結局は株式保有者にとっては有利、貯蓄者にとっては不利な状況が続きそうな気もします。



よろしければ応援クリックお願いします
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

コメント